青森大学(青森県青森市、学長:澁谷泰秀)は、7月21日に発表された文部科学省による令和5年度「大学・高専機能強化支援事業」に選定された。同事業は、デジタル・グリーン等の成長分野を牽引する理系の高度専門人材の育成に向けて、意欲ある大学や高等専門学校が成長分野への学部転換等の改革に予見可能性をもって踏み切れるよう、機動的かつ継続的な支援を行うもの。同大は支援1「学部再編等による特定成長分野への転換等」に、ソフトウェア情報学部で採択された。
初回となる令和5年度「大学・高専機能強化支援事業」では、支援1「学部再編等による特定成長分野への転換等」(公私立大学対象)に67件、支援2「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化」(国公私立大学・高専対象)に51件が選定された。
青森大学は、ソフトウェア情報学部で支援1に採択。青森キャンパス・東京キャンパス・むつキャンパスの3キャンパスと、ソフトウェア情報学部・薬学部・総合経営学部・社会学部の4学部による連携を通じて、文理融合し総合的な知識を身に付けた次世代人材を育成。近年のDX化に対応すると同時に、日本国内・青森県の理系人材不足の解消を目指す。
事業内容の詳細は以下の通り。
■ソフトウェア情報学部の定員増についての概要
青森大学は、3キャンパスの異なる地域ニーズに対応した地域課題の解決や、文理融合型の教育と地域連携を組み合わせたチーム体制などを柱とし、工学に関するイノベーションのハブとして社会のニーズを捉え、地域の課題を解決できる人材の育成を目指している。
そのために、(1)徹底したプログラミング教育を中心にITスペシャリストを育成(プログラミング科目を習熟度に応じたグループに分かれて納得いくまで学べる)、(2)初心者から経験者まで確実にフォロー(初めてプログラミングに触れる人も自分に合ったペースで丁寧に学べるので実力がつく)、(3)地域・社会と連携した学びの場で活動(学生による小中高向けプログラミングセミナーの実施(教えながら学ぶ))などの教育内容や、きめ細かい支援を実施している。
青森大学をハブとして、農業、高齢者支援、GX(グリーントランスフォーメーション)などの研究と、ITなどの特定成長分野の内容を掛け合わせ、実務家教員がリードして進めることで、人的交流・連携等の充実を図る。
また、学生がより快適に学修できる環境を整備し、同大の理念である「地域とともに生きる大学」、澁谷学長が掲げる「学生が輝く大学」として、地域の課題を工学的な視点などから解決できる人材の育成を目指す。
具体的な計画として、情報工学の学位が取得できるソフトウェア情報学部において、新たにコースを設置し、定員を増加する。同コースは、プログラミング教育を主体として学ぶことに加え、特定成長分野に関する内容強化のために社会のインターフェースを構築するものとする。
情報工学に関する知識・技能(理論知)、専門的理論等の実社会での実装(実践知)について学ぶことを主軸として、文系学部とも連携した文理融合による総合知を身に付けることで、広く社会の諸課題を見据え、解決できる人材輩出を目指す。
■計画(新規)
産業界を含む社会のニーズ等を踏まえ、青森大学の建学の精神、ディプロマ・ポリシーより、a)地域差を含めた地域の深い理解、b)ICT活用、c)チームでの実践 の3つを学修目標とする。aについては現状行っている地域創成を深化させ、bは従来の専門科目の更新、cについてはデザイン思考の手法を用いた演習や実習などの教育カリキュラムを展開する。
慢性的に情報工学の専門家不足に悩まされている青森地域における唯一の情報工学系大学として、地域の産業・自治体・教育機関等のニーズに対応できる情報工学の専門家を育成できる教育課程編成を目指す。
また、ICTプラットフォームを導入することで、それぞれのキャンパスにいながら、どこからでも同様の質の高い教育を届けることができる環境を整備。遠隔授業における教育の質保証および教育成果の向上に資する研究も全学的に推進する。
■計画(既存)
DX化への対応や理系人材の不足解消といた社会的ニーズがある中で、青森市において唯一の工学系学部を有する青森大学における工学分野の人材需要が増加している。
同大はそれに応えるため、(1)情報工学を主体とする知識の修得と情報の蓄積、(2)計画の対象となるソフトウェア情報学部における、青森山田高等学校との連携授業の展開 を行う予定。また、包括的連携協定を締結している6つの高等学校のうち、情報系コース等がある高校とは、青森山田高校と同様の連携を進めていく。さらに、他大学や県内企業との連携も推進していく予定。
■人材の育成
特定成長分野である工学の人材を育成するための戦略として、同大の文系・理系学部の融合、3キャンパス体制の教育資源、人的資源、地域的な支援や連携を実施。さらに、特定成長分野の人材育成にふさわしい設備や施設とすべく、学生の意見等も聞きながら、教育研究環境のさらなる整備を図る。
令和4年度からソフトウェア情報学部での取り組みとして、「教員の交代制(学生だけでなくスタッフもキャンパス間を往来)」を実施している。
また、青森市やむつ市に本社を置く企業、東京都江戸川区を中心に活動している企業、およびキャンパスを設置している自治体などと連携し、特定成長分野の人材育成を踏まえたPBLなども活用した科目の整備、実施を行っていく。
その他、多様な入学者の確保に向け、入試科目の見直し、小中高等学校との連携、社会人学生や留学生の受け入れ強化を行っていく。
(参考)
●大学・高専機能強化支援事業初回公募選定結果
https://www.mext.go.jp/content/20230721-mxt_senmon01-72.pdf
○青森大学 ソフトウェア情報学部
https://www.aomori-u.ac.jp/category/software/
・令和5年度大学・高専機能強化支援事業に選定されました
https://www.aomori-u.ac.jp/20230721_02/
▼本件に関する問い合わせ先 | |
広報室 | |
萱森 由介 | |
住所 | : 青森県青森市幸畑2-3-1 |
TEL | : 017-738-2001 |
FAX | : 017-738-0143 |
: koho@aomori-u.ac.jp |
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青森大学が文部科学省の令和5年度「大学・高専機能強化支援事業」にソフトウェア情報学部が選定 -- 日本国内・青森県の理系人材不足の解消に寄与
データ提供:大学プレスセンター