【東京工科大学】スーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」が世界ランキングに国内私立大学唯一のランクイン

 東京工科大学(東京都八王子市、学長:香川 豊)のAIテクノロジーセンターに設置されたスーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」が、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500(2025 年11月版)」において世界第374位(国内38位)にランクインしました。さらに、実際のアプリケーション性能を評価するHPCG ランキングで第83位(国内22位)でした。国内私立大学のスーパーコンピュータとして唯一のランクインとなります。

スーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」

■スーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」の概要

 「青嵐」は、NVIDIA 社の最新 GPU「DGX B200」を 12 ノードで構成した高性能 GPU スーパーコンピュータです。実測値では 3.3 ペタフロップス(PFLOPS) の計算性能を達成しました。
 1フロップ(FLOPS)は「1 秒間に 1 回の浮動小数点計算(足し算や掛け算など)」を意味し、1ペタフロップスは 1 秒間に 1,000 兆回 の計算を行う能力を示します。つまり「青嵐」は、1秒間に 3,300 兆回 の計算をこなすことができます。
 この性能は、AIモデルの学習やシミュレーション、画像解析、流体解析、そして生成AIなど、膨大なデータ処理を必要とする研究を強力に支えるものです。教育・研究・社会実装を支える基盤「青嵐」は、AI 研究・教育・社会実装を統合的に推進するために2025 年に導入されました。AI テクノロジーセンター(センター長:細野 繁教授)により運用され、ICT部門長の生野 壮一郎教授(コンピュータサイエンス学部)を中心に開発・管理が行われています。

東京工科大学では、本システムを通じて以下の研究・教育を推進しています。

  • 生成AI・AI倫理・Explainable AI(XAI)の研究
  • デジタルツインによる都市・産業のシミュレーション
  • 高等学校、企業向けのAI 教育や人材育成プログラム
  • 医療・工学 ・デザイン分野へのAI 応用研究

■国際連携と今後の展開

 本学は、米国フロリダ大学AI Academic Initiative Center(UF AI² Center)との学術協定(MoU)をはじめ、企業との連携を通じて、AIとHPC(高性能計算)の融合点としての発展を続けています。今後は、AIとスーパーコンピューティングを融合した新しい科学的発見の創出と AI人材育成の全国的モデル大学化を目指します。

■コメント

東京工科大学 学長 香川 豊

「今回ランクインしたスーパーコンピュータ『青嵐』を活用し、本学では最高水準の教育・研究環境を提供いたします。AI UNIVERSITYとして次世代のAI人材育成に注力し、デジタル社会を支える人材を輩出してまいります。」

AIテクノロジーセンター ICT 部門長
生野 壮一郎(コンピュータサイエンス学部 教授)

「今回のTOP500へのランクインは、本学のAI・HPC 融合研究と教育基盤が世界的に認められた成果 です。AIと HPCを活用した実践的教育、先端研究、社会連携をさらに発展させ、地域と世界に貢献する新たな価値創造を推進してまいります。」

また、「青嵐」運用開始に伴いAI研究に関する第一人者である株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長・学校法人沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授の北野宏明様らを招いた記念シンポジウムを下記の通り実施いたします。

■AIスーパーコンピュータ「⻘嵐」運⽤開始記念シンポジウム
「⻘嵐とAI UNIVERSITYが創る未来社会」12⽉11⽇開催!

2025年12⽉11⽇(⽊)、本学⼋王⼦キャンパスにて「⻘嵐」運⽤開始を記念したシンポジウムを開催いたします。エヌビディア⽇本法⼈シニアソリューションアーキテクト岸本章宏⽒、AI研究に関する第⼀⼈者であるソニーグループ(株)チーフテクノロジーフェロー北野宏明⽒による基調講演をはじめ、⽇本マイクロソフト(株)中⽥寿穂⽒らを招いたパネルディスカッションを実施いたします。参加は無料。

開催日時:

12月11日(木)14:00~ 八王子キャンパス

詳細・申込:

スーパーコンピュータ「青嵐」運用開始記念シンポジウム開催のご案内
スーパーコンピュータ「青嵐」運用開始記念シンポジウム開催のご案内。詳細はこちらから

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【スーパーコンピュータ「⻘嵐」について】

⽣成AIや⼤規模⾔語モデルなど、計算負荷の⾼い最新のAIワークロードに対してトップクラスのパフォーマンスを提供するNVIDIA(エヌビディア) DGX B200 12台、合計96個のGPUで構成された国内私⽴⼤学最⼤・最速のスーパーコンピュータ。NVIDIAの最新GPUアーキテクチャ、BlackwellおよびAI Enterpriseプラットフォームを搭載します。

またAI計算に特化した最新アーキテクチャにより、FLOPS/Wの性能が従来の汎⽤スーパーコンピュータと⽐較して⾶躍的に向上、消費電⼒は0.17MWを実現しています。本学では、AI技術を⼤学の教育、研究の中核に据え、次世代の技術者育成や社会課題の解決、産業界との連携強化を⽬指す総合的な取り組みとして「AI⼤学」構想を掲げており、これを加速させるため2025年10⽉より運⽤を開始しました。

『⻘嵐』という名称は、⻘が東京⼯科⼤学のシンボルカラーで知を意味すること、⼋王⼦の地から“知の嵐を静かに吹き出そう”との意味が込められています。また⼋王⼦市は養蚕・織物の町として栄えたことから「桑都」として知られており、平安末期に諸国を巡った⻄⾏が詠んだ「浅川を渡れば 富⼠の雪⽩く 桑の都に⻘嵐吹く」という歌にも由来します。

【東京⼯科⼤学について】

学校法⼈⽚柳学園が、1986年に東京都⼋王⼦市に開学。1999年に⽇本初の「メディア学部」、2003年に「バイオニクス(現・応⽤⽣物)学部」と「コンピュータサイエンス学部」を設置。2015年に「⼯学部」を設置しました。現在、6学部と⼤学院を有する理⼯系総合⼤学として約8,000名の学⽣が在籍しています。また、同学校法⼈は国内最⼤級の総合専⾨学校である「⽇本⼯学院」も有しています。

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東京工科大学のスーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」が世界ランキングに国内私立大学唯一のランクイン

情報提供:東京工科大学

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教育・研究の柱に「実学主義」を掲げ、最新の専門知識はもちろん、国際的な教養や豊かな人間性の養成に力を入れる東京工科大学。この理工系総合大学において、データサイエンス教育の拠点といえるのが、コンピュータサイエンス学部だ。大野澄雄教授に、現場で...

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