東京⼯科⼤学と⼋王⼦市がAI/DX 連携協定締結 さらに私⽴⼤学最速AIスパコン「⻘嵐」初公開

〜⼋王⼦市から次世代教育へつながるDX連携と最先端AI基盤の始動〜

 東京⼯科⼤学(東京都⼋王⼦市、学⻑:⾹川豊)は、AI教育と研究を加速させるため、NVIDIA(エヌビディア)のNVIDIAのインフラとソフトウェアを搭載したAIスーパーコンピューターを構築し、⽇本の私⽴⼤学では最速となるスパコンの実機公開と名称発表を10⽉2⽇㈭に⾏いました。
 また同時に本学が所在する⼋王⼦市とさらなるAI教育及び街の発展のために連携協定締結を⾏い、協定締結式も実施いたしました。

⼋王⼦市と東京⼯科⼤学の連携フォトセッション
AIスパコン「⻘嵐(せいらん)」実機

 本学が今回採⽤したのは、⽣成AIや⼤規模⾔語モデルなど、計算負荷の⾼い最新のAIワークロードに対して⽐類なきパフォーマンスを提供するNVIDIA DGX B200システムです。本学は、DGX B200を国内で最初に導⼊する⼤学の⼀つであり、私⽴⼤学最⼤のAIスパコンを学内に常設しました。

 1986年の開学以来常に実践的かつ先進的なテクノロジー教育をけん引してきた東京⼯科⼤学は、国内でもいち早くAI教育に取り組んできました。AI技術を⼤学の教育、研究の中核に据え、次世代の技術者育成や社会課題の解決、産業界との連携強化を⽬指す総合的な取り組みとして「AI⼤学」構想を掲げています。その中核拠点として今年4⽉、東京⼯科⼤学⼋王⼦キャンパスにAIテクノロジーセンターを開設しました。AIスパコンは、本AIテクノロジーセンターの「AI中核拠点(TUT AI CORE BASE)」に設置され、10⽉2⽇より稼働開始いたします。

◼⼋王⼦市と東京⼯科⼤学のAI/DX連携協定

 この⼋王⼦市との協定は、東京⼯科⼤学が有する先進的なAI・DX技術を活⽤し、交通インフラや農業をはじめとした地域課題の解決を図るとともに、⼋王⼦をフィールドとした⼤学の教育・研究の充実により、地域社会の持続的発展に寄与することを⽬的としたものです。
 ⼋王⼦市の初宿和夫市⻑より、⼋王⼦市と東京⼯科⼤学の連携での期待することを説明いたしました。今後、東京⼯科⼤学との連携によって、AIスパコン×⾏政で何が⽣み出されていくのか、それによってどのような⾰新があり⼋王⼦市⺠の皆様に⽰せるのかを期待していると語りました。

⼋王⼦市⻑と東京⼯科⼤学学⻑とのフォトセッション

◼東京⼯科⼤学のAIスパコン「⻘嵐(せいらん)」に関して

東京⼯科⼤学 ⾹川学⻑より今後のAI活⽤に関してのご説明

 東京⼯科⼤学 ⾹川学⻑より、⼤学としての今後のAIの取り組みについて説明がありました。東京⼯科⼤学では、かねてよりAIユニバーシティになることを明確に⽰してきており、社会課題に役に⽴つために全学部がAIを使いこなせる⼈材を育成したいと⽬標を掲げています。また、⻘嵐を導⼊するにあたり、学⽣がAIスパコンの機能をあますことなく使⽤できる仕組みとして「AI/DX価値創造機構(AIを活かす、AIを使う、AIを知る)」を制定し運⽤していき、最終的にはAIを使⽤して未来をより良くしていくようなゴールを⽬指していきたいと語りました。

 続いて、AIテクノロジーセンターICT部⾨⻑の⽣野壮⼀郎からこの私⽴⼤学最⾼レベルのAIスパコン「⻘嵐(せいらん)」に関する説明がありました。⻘嵐という名前の語源に関しては、⻘は東京⼯科⼤学のシンボルカラーということと、⻘は知を意味するということもあり、⼋王⼦の地から“知の嵐を静かに吹き出そう”ということで⻘嵐という名前になったと説明しました。
 さらに⻘嵐について、NVIDIAの最新GPUアーキテクチャ、NVIDIA BlackwellおよびNVIDIA AI Enterpriseプラットフォーム「DGX B200」を搭載。AI向けの理論性能(FP8を⽤いた場合)は、0.9EFLOPS(1秒間に90京回の計算)を実現するなど、詳細を解説しました。

デジタルヒューマンを操作する学⽣

 発表会後には、⻘嵐のお披露⽬や実際にAIスパコンを使⽤してPCを操作する学⽣たちの⾒学も⾏いました。

■今後の教育・研究・プロジェクトの展望

 東京⼯科⼤学は、AIスパコンの導⼊により、下記のようなプロジェクトや研究での活⽤を予定しています。教育⾯では、学⽣が次世代のAI社会に対応できる実践的なスキルを習得するための環境整備を進め、研究⾯では、最先端のAI技術や⾼性能計算資源を活かした⾼度な課題解決を⽬指します。

〈スパコン導⼊後の主要プロジェクト案(2025年度以降)〉

1.AI活⽤⼈材の実践育成プログラム

 AI技術の実装経験を通じて、産業界で即戦⼒となるAI⼈材を育成するプログラムを推進します。

2.学内専⽤LLM(⼤規模⾔語モデル)の構築と活⽤

 セキュアな学内環境において、専⽤の⼤規模⾔語モデルを構築し、教育・研究・業務⽀援への応⽤を図ります。

3.AI倫理*・ガバナンス検証環境(AI Ethics)

 AIの社会実装において求められる倫理的・法的観点の教育と検証を⾏う環境を整備し、責任あるAIの活⽤を促進します。

4.デジタルツインプロジェクト

 NVIDIA Omniverseのテクノロジーを⽤いた、現実世界と仮想空間を結びつけるデジタルツインの構築により、ものづくりや都市設計における⾰新的な実証研究を⾏います。

5.XAI(説明可能AI)によるAI倫理・法的信頼性研究

 AIの判断根拠を⼈間が理解できるようにする技術(XAI)を⽤いて、透明性・公平性・法的信頼性のあるAIの開発を⽬指します。

6.⼤規模物理シミュレーションとAIを⽤いた物理現象の解析

 ⾼性能計算機とAIの融合により、従来の⼿法では困難だった複雑な物理現象の⾼精度な解析と予測を可能にします。

■東京⼯科⼤学について

 学校法⼈⽚柳学園が、1986年に東京都⼋王⼦市に開学。1999年に⽇本初の「メディア学部」、2003年に「バイオニクス(現・応⽤⽣物)学部」と「コンピュータサイエンス学部」を設置。2010年に⼤⽥区・蒲⽥キャンパスに「デザイン学部」と「医療保健学部」を設置。2015年に「⼯学部」を設置しました。現在、6学部と⼤学院を有する理⼯系総合⼤学として約8,000名の学⽣が在籍しています。また、同学校法⼈は国内最⼤級の総合専⾨学校である「⽇本⼯学院」も有しています。

データ提供:東京工科大学

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