バイオセンサー
バイオセンサーとは?
生物が持つ優れた物質識別能力を利用したセンサーのこと。酵素や抗体、核酸、微生物などの生物学的な素材を用いて対象となる物質を検出し、電気化学や光学的な変換器によって信号化することで、対象物質を選択的かつ高感度に定量することができる。例えば、血糖値、血中アルコール濃度、血圧、心拍数、DNAの変異、細菌やウイルスなどの微生物の存在などを測定するために使用される。バイオセンサーは、高感度で高速、分子のレベルで細かく検査できるといった特異性を持つ。
バイオとエレクトロニクスの融合によって生まれた技術で、生命科学や化学・材料、電子、情報、機械、メカトロニクスなど、さまざまな専門分野の研究者がバイオセンサーの開発に携わっている。一般に、生物化学的な分子識別を行う「バイオレセプター」と、バイオレセプターの反応を電気信号や光信号に変換する物理化学的デバイスである「トランスデューサー(変換器)」、トランスデューサーにより変換された信号を処理し、数値化した情報を表示する「アンプリファイアー(増幅器)」などで構成される。
バイオセンサーで何ができる?
バイオセンサーは食品や環境分野などさまざまな分野で用いられている。例えば、環境モニタリング用のバイオセンサーとしては、河川や排水、土壌、大気などに存在する毒性の強い重金属や生物毒、農薬や病原性ウイルス・微生物などを検知するものが開発されている。
医学の分野でも、バイオセンサーの応用が急速に進んでいる。糖尿病患者が血液中のブドウ糖の量(血糖値)を自宅でチェックする血糖値センサーが広く普及しているほか、がん細胞がつくり出す特殊な物質(がんマーカー)を測定するバイオセンサーの研究開発も進められている。また、涙や唾液、汗、尿などに含まれる健康指標成分を検出するための身体装着型(ウェアラブル)バイオセンサーも盛んに研究されている。
バイオセンサーを学ぶ
バイオセンサーはどの学部・学科で学べるの?
バイオセンサーの研究開発は、ナノバイオサイエンス、生物機能・バイオプロセス、分子細胞生物学、分析化学といった分野で行われている。これらの分野は、理学部の化学科、工学部の化学系・生物工学系の学科などで学ぶことができる。また、医学部や薬学部で大学院まで進み、バイオセンサーを専門的に研究する道もあるだろう。
バイオセンサーについてもっと知りたい方は
バイオセンサーに関する質問、AI・データサイエンスに関する素朴な疑問、大学選びのお悩み、将来の仕事のことなど、気軽にご質問ください。X(旧Twitter)または匿名の質問箱にて受け付けています。
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