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自然言語処理

自然言語処理とは?

自然言語処理とは、人間が使う「自然言語」をコンピュータで処理するための技術のこと。英語ではNatural Language Processing。「NLP」と略される。自然言語は、人間が日常的に使用する言語のことで、日本語や英語もこれに含まれる。

自然言語処理は、AI(人工知能)研究の一分野で、テキストや音声を解析して、自然言語の構造、意味、文脈をコンピュータに理解させることが目的だ。つまり、プログラミング言語などを指す「人工言語」で、自然言語を解析・処理できるようにする「翻訳」する技術と言ってもいいだろう。

自然言語処理の基礎技術としては、文章を要素に分解し品詞などを判定する「形態素解析」、分解された要素間の係り受けなどの関係性を発見する「構文解析」、構文解析の結果から文章の意味を特定する「意味解析」、複数の文章の間のつながりを解析する「文脈解析」などがある。興味がある人は、ぜひ詳しく調べてみてほしい。

自然言語処理の技術は、機械翻訳、音声認識、感情分析、テキストマイニングなどの研究で用いられている。自然言語処理の技術は急速に進歩しており、人間とコンピュータのコミュニケーションをさらに進化させるだろう。

自然言語処理で何ができる?

自然言語処理を応用した技術で、代表的なのは「機械翻訳」だろう。Google翻訳は、Transformer(トランスフォーマー)と呼ばれる自然言語処理に特化したディープラーニング(深層学習)のモデルによって実現されている。

迷惑メールを判定して隔離する「スパムフィルタ」、単語の綴り間違いや送り仮名の間違いを見つける「スペルチェック」、与えられた文章の読み上げやプログラムに歌わせるボーカロイドなどは「音声合成」で、これらも自然言語処理を利用したものだ。

また、生成AIの代名詞である「ChatGPT」も自然言語処理の技術を活用したアプリケーションの代表格。大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるディープラーニング(深層学習)のモデルがベースになっている。ChatGPTは、Google翻訳にも用いられているTransformerを基盤としており、この技術が自然言語処理の研究を飛躍的に進歩させたと言われている。人間が投げかけた言葉に対し、自然な形で返答するAI技術の精度はますます進化している。

自然言語処理を学ぶ

自然言語処理はどの学部・学科で学べるの?

自然言語処理を専門的に学ぶ進学先は、AIを学べる学部・学科と同じと考えていいだろう。理工系大学の「情報」系学部・学科を選ぶのが一般的で、最近は「AI」や「データサイエンス」を冠した学部・学科も要チェックだ。

また、「言語」を扱う研究分野ということで、文学部や社会学部など「言語学」や「文化人類学」を扱う学部・学科でも自然言語処理の技術を用いて、ユニークな研究に携われるチャンスはあるだろう。

自然言語処理についてもっと知りたい方は

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