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量子コンピュータ

量子コンピュータとは?

量子コンピュータとは、「量子力学の物理現象」を用いて計算を行う、従来型とは異なる原理のコンピュータのこと。現在のコンピュータである「電子計算機」が2進法の演算回路をベースに構築されているのに対し、「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」(※)といった量子力学の物理現象を利用して並列計算を実現するのが量子コンピュータだ。

(※)量子現象という、物質を構成する原子や電子などのナノメートルサイズの「量子」のミクロな世界で現れる特有の現象がある。「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」といった、人間の直感的には不思議な現象が知られている。

量子コンピュータの研究は、1980年代から始まっており、2000年代には世界中の大学や研究機関で量子コンピュータの基礎技術の開発が進められた。そして、2010年代に入り、Google、IBM、Microsoftなどの巨大テック企業も量子コンピュータの研究に参入し、2020年代に一大ブームが到来している。

量子コンピュータの開発現場では、現在さまざまな方式による研究が進められている。主流とされているのが、GoogleやIBMが開発に注力する「超伝導方式」。ほかにも「イオン方式」「半導体方式」「光方式」などがあり、それぞれに特長がある。

量子コンピュータで何ができる?

従来の2進法コンピュータで用いる0、1という情報単位を「ビット」と呼ぶ。これに対し、量子コンピュータでは、0でもあり1でもあるという「0と1の重ね合わせ」を情報単位として使う。これは「量子ビット(キュービット)」と呼ばれるもので、量子力学の原理に基づいたアイデアだ。この量子ビットは、扱いが難しいもののうまく活用できれば、従来のコンピュータをしのぐ大量の情報を一度に処理することができる。

Googleは2019年に、53個の量子ビットを使った量子コンピュータで、最先端のスーパーコンピュータで約1万年かかる計算を約3分で解いたと発表した。すべての計算がこのような劇的進化を遂げるわけではないが、計算アルゴリズムをうまく組み合わせれば、従来のコンピュータでは計算不能な大規模・複雑な問題を瞬時に解くことも可能になる。特に、創薬や材料開発、人工知能、金融などの分野では、量子コンピュータが破壊的なインパクトを与えると期待されている。

量子コンピュータを学ぶ

量子コンピュータはどの学部・学科で学べるの?

量子コンピュータの基盤となる量子力学は、物理学系の学部・学科で学ぶことができる。また、「情報」系学部・学科でも量子コンピュータの基礎を学べる可能性はある。

プログラミングなどコンピュータサイエンスの知識はもちろん必要になるが、基本的には「新たな計算機を設計する研究」なので、基盤となる量子力学の高度な知識は必須となるだろう。

量子コンピュータについてもっと知りたい方は

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