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再生医療

再生医療とは?

再生医療とは、病気や障害の原因となる細胞や組織を再生・修復することで治療を行う医療技術のことを指す。患者自身、もしくは他者の細胞を用いて特定の組織や臓器をつくり出し、それを移植することで、失われた組織や臓器の再生を目指す。従来の薬物療法や手術治療に比べ、より安全で効果的な治療法とされている。

再生医療の代表的な技術として、「幹細胞治療」がある。「幹細胞」とは、分裂して自分と同じ細胞をつくる能力と、さまざまな種類の細胞に分化する能力を併せ持った細胞のことで、大きく2種類に分けられる。ひとつは、皮膚や血液などのように決まった組織や臓器で失われた細胞を補充する「体性(組織)幹細胞」。もうひとつは、人間の細胞であればどのような細胞でもつくり出せる「多能性幹細胞」だ。後者には、胚(受精卵)から取り出す「ES細胞(胚性幹細胞)」と、一度分化した細胞から人工的に作製する「iPS細胞」がある。

再生医療で何ができる?

再生医療は、現在ではがん治療や心臓病、糖尿病、脊椎損傷など、多くの疾患の治療に応用されている。将来的には、より高度な技術が開発され、さまざまな疾患の治療に貢献することが期待されている。

再生医療に活用可能な幹細胞には「体性(組織)幹細胞」、「ES細胞(胚性幹細胞)」、「iPS細胞」があり、このうち医療への応用が最も進んでいるのは、人間の体内にある細胞を使う体性(組織)幹細胞だ。

「多能性幹細胞」を活用した再生医療の研究は、ES細胞(胚性幹細胞)が先行したが、本来なら胎児に成長する胚を壊して幹細胞を取り出さねばならず、倫理的問題がある。しかしiPS細胞を用いることで、患者自身の細胞から多能性幹細胞をつくりだし、再生医療の研究に利用することが可能に。このiPS細胞作製技術を開発した山中伸弥教授は2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。2014年には世界で初めて、実際の患者への臨床研究として、iPS細胞から分化・増殖した網膜色素上皮細胞の移植手術が行われた。

再生医療を学ぶ

再生医療はどの学部・学科で学べるの?

医学部や歯学部、薬学部など医療系の学部・学科で学ぶことができる。また、理工系学部の生命科学、分子細胞生物学、生体医工学、バイオテクノロジーなどに関連する学科で基礎研究に取り組み、再生医療の進歩に貢献する道もあるだろう。

再生医療についてもっと知りたい方は

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