【慶應義塾大学】経済学部でもデータサイエンスは強みになる!

経済学部2年
データサイエンス系大学・学部に通う先輩は、どのような学び&研究に取り組んでいる? データ分析に特化した学生団体DataCampusの代表である慶應義塾大学の豊島叶夢さんが所属するのは経済学部! 文系学部で受講できるデータサイエンスの学びとは?
チームを組んで、SIGNATEやkaggleのコンペに参加
——データサイエンスをテーマにした学生団体を運営しているそうですね?
DataCampusは、データ分析に特化した学生団体です。データ分析、AIエンジニアリングを勉強して技術力を高めるのが目的です。現在、メンバーは約40名で、私が通う慶應義塾大学だけでなく、全国の大学に通う学生が参加しています。例えば、東京大学、京都大学、公立千歳科学技術大学、金沢大学、早稲田大学、明治大学、中央大学、立命館大学など、実にさまざまです。オンラインでの活動がメインで、SIGNATE(シグネイト)やkaggle(カグル)などデータサイエンスに特化したコンペティション(大会)に出場したり、GitHubなどのITツールの勉強会をしたりしています。
SIGNATEやkaggleのコンペは、毎月複数回実施されており、テーマや対象もさまざまです。メンバーの中で2〜3人のチームをつくって、気になるテーマがあれば、参加するようにしています。データサイエンスに興味がある全国の仲間とつながれるのはうれしいですね。もともと私は、学部1年の頃からData Science Leagueという学生団体の運営に参加していたのですが、その団体が活動終了になり、自分で新たな団体を立ち上げた形になります。
——データサイエンスに興味を持ったきっかけは?
きっかけは、コロナなんです。高校3年の頃が、ちょうどコロナ禍で、家で過ごす時間が多かったんですね。そこで、将来のことを考えて、情報系の資格でも取ろうかなと思って、「基本情報技術者試験」を受けたんです。そこで、Pythonを使ったプログラミングなどを覚えて、面白さに目覚めていった感じですね。
現在は経済学部に通っているのですが、進路を決めた頃、まだデータサイエンスのことをよく知らなかったんですよね……。高校時代から金融や経済に興味があったので、経済学部進学に迷いはありませんでした。今でこそデータサイエンス=情報系学部というイメージもありますが、結果的に経済学部のような文系学部でもデータサイエンスの知識が大いに強みになることを知り、この選択は間違っていなかったと思います。今は、もともと興味のあった「金融」と「データサイエンス」が経済学部でつながった感じがしています。
「Python」や「データ解析」の授業も
——経済学部でもプログラミングやデータサイエンスの授業はありますか?

慶應義塾大学経済学部は、履修できる科目の幅が広く、学生は自分の興味・関心に合わせて、わりと自由に選ぶことができます。これは、あくまでも個人のサンプルになりますが……私は、1年次から総合教養科目で、「Python」「データ解析」などを履修しました。
「Python」は、まさにプログラミング言語Pythonの基本を習う授業で、毎回出される課題に対して、実際に手を動かして、コードを覚えていく感じですね。
「データ解析」の授業では、「Exploratory」と呼ばれる専用ツールを使って、実践的にデータ分析を覚えていきます。海外の特定都市の住宅価格動向などのデータセットを使って、自分なりにデータ分析を繰り返しながら、理解していく感じです。
そのほか、必修科目で「統計学」も履修します。これは経済学部なので、当然ですね。
2年次からは、より応用に近い授業を履修できます。「Python」や「データ解析」の授業も応用編が用意されます。私が特に役立っていると思うのは、「計量経済学」の授業です。ここでは、データ分析に特化した「R」言語を使った本格的な課題に挑戦できます。毎回、「人口」や「株価」などに関する既存のデータセットが用意され、それを「R」言語を使った統計分析ツールに当てはめて、結果からどういうことがわかるかを考察します。まさに、数字の羅列から意味や価値を見出す作業です。「R」言語を使いこなすことで、経済理論への理解も深まるところが面白いですね。
——経済学部でデータサイエンスを学ぶ面白さはありますか?
単純な比較はできませんが、理工系学部でデータサイエンスを学ぶ場合は、コーディングなどの技術中心になると思うんですね。つまり、データサイエンスの手法の追究は学びの目的なわけです。一方、経済学部では、データサイエンスは学びのツールです。為替相場や物価、人口動態など、実社会においてデータサイエンスをどう活かすことができるかを学べるのが面白いところだと思います。
生成AIの仕組みを理解して使いこなせる
——データサイエンスを学んで、どのようなスキルが身につきましたか?
やはり自分でPythonなどの言語を操ってコードを書き、自らの手でデータ分析を行うことで、世の中に普及しているAIツールやスマホアプリなどの裏側で何が起こっているかを理解できるようになったのは大きいと思います。ChatGPTのような生成AIを自由に使える人は増えていますが、その仕組みを理解している人はまだまだ少ないですよね。生成AIはなぜ「怪しい」と言われてしまうのかなどを深く理解した上で、普通とは違うレベルでこの革新的なツールを使いこなせるようになるのが、データサイエンスを学ぶ魅力かもしれません。
——大学の学び以外では、どのような活動をしていますか?
最初に申し上げた学生団体DataCampusの活動とは別に、「慶應義塾大学AI・高度プログラミングコンソーシアム(通称AIC)」で、講師のアシスタントをしています。これは、ある種のインターンシップのような活動で、1年次から参加しています。AICが三田祭(大学祭)で画像認識のプログラムを出展した際は、その開発も手伝いました。
ほかにも、1年次にWebマーケティングの会社でインターンシップをしたり、金融業界の団体で、金融データ活用推進協会という一般社団法人でデータ活用のお手伝いをしたりもしています。また、2年次になってからは、エンジニアとしてPythonのプログラミングを仕事として受注したりもしています。高度なスキルを身につけることで、活躍できる幅はどんどん広がっていきます。
DataCampusを日本最大のIT系学生団体にしたい!
——将来の目標を教えてください。

今は、DataCampusの活動に力を入れたいですね。現在、約40名のメンバーをもっと増やして、日本最大のIT系学生団体に育てたいです。それには、もちろんメンバーの技術力UPが必要です。新たに加入するメンバーのモチベーションを上げて、どんどんみんなで技術力を上げていける仕組みをつくりたいですね。
また、データ分析やプログラミングの技術だけでなく、学生時代に大きなチームをまとめる経験もしたいと思っています。学生なのでどうしてもお金はないですが、それでも人を動かせるようなマネジメント力をつけたいですね。
そして、将来はやはり金融業界で働いてみたいですね。今は特にFAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)と呼ばれる職種に興味があります。まずは、大手企業に就職して、スケールの大きな仕事を覚えたいですね。学生時代に身につけた金融とデータサイエンスの知識が将来の選択肢を広げてくれると信じています。
【取材協力】
データ分析特化型学生団体DataCampus
北海道から関西エリアまで、全国の学生が参加できるデータ分析特化型学生団体。活動はオンライン中心で、メンバー同士でハッカソン、データ分析コンペに参加。データ分析、AIエンジニアリングを勉強して、技術力を高めている。
詳細はこちら
データ分析特化型学生団体DataCampus公式X
Text & Photo by 丸茂健一(minimal)
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