マイクロプラスチック
マイクロプラスチックとは?
海に漂う直径5mm以下の小さなプラスチックの微粒子、または微小な断片のことをマイクロプラスチックという。主に、大きなプラスチック製品の分解や洗濯などによって、水中に放出される。プラスチックは基本的に自然に分解されないため、海水中に長く留まり蓄積していくと考えられ、海洋生態系への影響が懸念されている。
また、マイクロプラスチックの表面には水環境の中に存在する残留性有機汚染物質(POPs)を吸着する性質があるといわれる。POPsが吸着したマイクロプラスチックを海洋生物が摂取すると汚染物質がその生物の体内で蓄積・濃縮され、それを人が食べると人体に害が及ぶ危険性があるとも指摘されている。
マイクロプラスチックに対して何ができる?
マイクロプラスチックは、「一次マイクロプラスチック」と「二次マイクロプラスチック」の2種類に分類される。
前者は、廃棄物や漁業用具の繊維、化粧品やクリーニング剤などから直接排出されるプラスチック片のことを指す。特に洗顔料・歯磨き粉といったスクラブ剤などに利用される小さなプラスチックは「マイクロビーズ」とも呼ばれる。主に家庭の排水溝などから下水処理を経て海へと流出し、一度流出すると回収はできず、製品化された後の対策は難しいとされる。そのため、米国・カナダ・豪州・英国・EU諸国・インド・台湾などの国々では、マイクロビーズを含む製品の製造や販売を規制している。
後者の二次マイクロプラスチックは、街に捨てられたプラスチック製品が側溝などから川を伝って海へ流出し、紫外線や波の作用などで砕けて小さくなったものを指す。ごみの発生を抑えるか、あるいはマイクロ化する前であれば、ある程度の対応が可能だ。そのため、レジ袋やストローなど、プラスチック以外で代替可能なものはプラスチックを極力使わないようにするとともに、使ったプラスチックが環境中に流出しないよう適切に処理する必要がある。
マイクロプラスチックを学ぶ
マイクロプラスチック問題はどの学部・学科で学べるの?
環境科学や環境工学系の学部・学科では、マイクロプラスチックの発生源や生態系への影響、除去方法などを研究する。化学や材料工学系の学部・学科では、マイクロプラスチックの化学的性質、分解方法、代替素材の研究などを行う。海洋学系の学部・学科では、海洋中のマイクロプラスチックの分布や影響などを研究する。また、生態学や生物学系の学部・学科では、マイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響を研究することができる。全般的には、工学部や農学部で関連する学科や研究室を探せることが多いだろう。
マイクロプラスチックについてもっと知りたい方は
マイクロプラスチックに関する質問、AI・データサイエンスに関する素朴な疑問、大学選びのお悩み、将来の仕事のことなど、気軽にご質問ください。X(旧Twitter)または匿名の質問箱にて受け付けています。
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