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海洋学者
資源、生態系、環境、土木技術……
無限の可能性を秘めた海洋を研究・開発する
人類にとって未だ謎が多い未開拓のフロンティアである海洋を研究・開発することが海洋学者の仕事である。海洋や海底の探索はもちろんのこと、その地形や環境、生物、資源、土木・建築など、活躍の場は無数に広がっている。そこには、エネルギーや環境といった社会が抱える諸問題を解決する可能性が秘められている。
海洋や海底、深海に関する研究や調査、技術開発、環境保全などの業務に携わるのが海洋学者の仕事である。具体的には、海底資源の探査・開発に関する技術開発や海洋生物(微生物を含む)の生態系・生息分布に関する調査、海洋環境や気象情報の収集・解析、海洋環境保全に関する研究・活動などの職種がある。海洋土木の分野では、海での建築・土木技術を研究し、海洋を有効活用するための取り組みに従事している。いずれの業種においても、海洋の調査では膨大な量のデータを取り扱う技術が求められる。
仕事内容は職種によってさまざまである。研究機関であれば室内での実験や論文の執筆に取り組むと同時に、実際に海洋に乗り出して数ヶ月間に及ぶフィールドワークを行うこともある。
人口の増大や大量消費に伴って地上の資源に限界が見え始めている近年、エネルギーや環境についての諸問題を解決する手段として、今後ますます可能性の広がる分野であるといえるだろう。
海洋学者の平均年収は職種によって大きく異なる。大学で研究のみを行う研究者の場合は100万〜300万円程度の助手からスタートし、助教、講師、准教授、教授とキャリアアップに従って上昇する。
大学教授の年収は500万〜2,000万円と大学や研究領域によってさまざまである。海洋調査やエネルギーに関わる独立行政法人などに勤務する場合は、400万〜600万円の平均年収が見込めるであろう。
海洋学者の勤務先として代表的なものは以下の通り。
海洋学者になるための国家資格はない。しかし、大学院へ進んで博士課程を修了しておくことが大前提となる。研究室がある海洋大学や海洋系学部に進学し、続いて大学院で専門的に学ぶのが一般的である。また、海上のフィールドワークにおいては船舶免許や海技士の資格、潜水士の資格が求められることもある。
海洋学者は、専門的な知識や実験スキルに基づいて研究を発展させることが求められる。海や環境に強い関心を持ち、ときに過酷な海洋での研究に忍耐強く取り組む素質が必要となるだろう。もちろん、研究者には必須の創造性や探究心、チャレンジ精神、主体性、課題解決能力、論理的思考力なども重要となる。また、学会での発表や論文の執筆においては英語の使用が一般的であり、語学力や国際的なコミュニケーション能力が不可欠である。
海洋学者になるには、海洋大学や海洋系学部で専門的な知識や技術を身につけるのが一般的である。海洋学に関連する学部・学科として、海洋政策科学部や海洋理工学部系の海洋建築学科、土木建築学科、生物学部系の海洋生物化学科、海洋水産学科、地球科学部系の学科がなど挙げられる。いずれの場合においても、自分の進みたい方向を見定め、慎重に学部・学科を選択することが重要である。また、民間企業の海洋開発系部署や官公庁の研究職を志望する場合は、大学院に進学すれば有利となる。
Illustration by カヤヒロヤ
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