【明治学院大学】大学初の理系学部「情報数理学部」誕生!
明治学院大学情報数理学部
情報と数理の力で、人が主役のAI社会を創る。
近年、AI(人工知能)を中心とする情報技術が急速に発展し、社会のあり方を変えつつある。フィジカル(現実空間)とデジタル(仮想空間)が高度に融合するSociety 5.0の時代において、AIやデータを活用していくことは必須であり、全員が専門家である必要はなくとも、誰もが基本的な知識を持っていることが重要となる。
Society 5.0のコンセプトが内閣府によって提唱され、文部科学省による数理・データサイエンス教育も推進されている。今後、情報数理の重要性はさらに高まっていくことが予想されており、それらの動きに伴い、情報数理を修めた人材のニーズも増大していくだろう。
そんな社会的な要請に応じて、明治学院大学は、2024年4月に「情報数理学部」を開設する。これまで文系総合大学としての地位を築いてきた同学にとって、初めての理系学部となる。また、これまで大きな蓄積を残してきた既存の学部・組織との有機的な連携をめざし、融合的な研究を行うブリッジとして「情報科学融合領域センター」も併せて開設予定だ。
「情報科学融合領域センター」は、情報数理学部と既存学部の連携の舞台となると同時に、学外との産学官連携の窓口にもなるとのこと。「“Do for Others(他者への貢献)”」を教育理念に掲げる明治学院大学にとって、人間社会とのつながりを意識したり、他分野への応用を意識しながら学びを深めたりすることは非常に大切であり、新たな価値の創出や社会課題の解決にもつながるはずだ。
明治学院大学情報数理学部 3つの特色
1 数理的理解力と高度ICTの利活用
数学的素材で組み立てられた情報科学分野の急速な技術革新に適応できる数理的理解に基づいた応用力・問題解決能力を身につける。また、人とAIが高いレベルで共存する近未来において重要となる高度情報通信技術(高度ICT)を利活用し、これからのコンピュータやAIで何ができるかを学ぶ。
2 社会とのつながりを意識しながら学ぶ
情報倫理に配慮し、情報・数理科学と社会との接点や連携を強く意識させるカリキュラムを用意。「情報システムと社会」や「実験社会科学」などがある「社会と情報」科目群で基礎的な知識を学び、3年次に実施されるPBL科目(課題解決型学習)や産学官連携を促進する「情報科学融合領域センター」などを通して実践的なスキルを身につけていく。
3 国際社会で活躍できる人材を育成
修得した高度ICTスキルを国際社会で活かし、世界から情報を得て、自らも発信することができる能力を身につける。「ICT」がInformation and Communication Technologyの略であるように、「情報」の世界の中心はコミュニケーションである。そして、情報数理を学ぶことは、世界で通用する「共通言語」を学ぶということ。積極的に世界とコミュニケーションを取り、国際的な舞台でリーダーシップを発揮できる人材育成をめざす。
【特徴的なプログラム】
将来像に合わせた3コースを用意
明治学院大学情報数理学部情報数理学科では、3年次から「数理・量子情報コース」「AI・データサイエンスコース」「情報システム・セキュリティコース」の3つにコース分けされ、学生の志向や卒業後の進路に合わせて、どの分野を重点的に履修するかが選択可能となっている。
「数理・量子情報コース」は、情報の基礎となる数理的な考え方から量子情報に関するものまで、理論的な部分を学んでいくコース。将来、量子コンピュータが実用可能な状況になってきたときに、それが社会にとってどのような意味を持つのかを考えたり、融合的な研究を行える環境や人材を育てるためのカリキュラム設計になっている。量子情報を扱う理論の理解には数学が不可欠であり、問題を論理的に考えて分析し、要素に分解してモデル化する力を養っていく。
「AI・データサイエンスコース」は、データを駆使して社会の課題を解決したり、AIを活用して、今までにない新たな価値を創出したりするための方法を学ぶコース。Society 5.0の時代では、あらゆる意思決定にデータを活用することが求められ、多くのプロダクトや情報技術にAIが搭載されるようになる。そのような時代に先駆けて実践的なスキルを身につけていくことが目標だ。
「情報システム・セキュリティコース」は、コンピュータ自体の仕組みも含めて、情報システムやセキュリティを学ぶためのコース。情報技術が社会を支えるインフラである現代において、コンピュータやAIを組織の活動に適応させていくには、しっかりと自前のシステムに組み込んでいく人材は必須の存在といえる。情報システムを構築したり、安全なセキュリティ環境を運用・保守したりするためのスキルを習得する。
【注目すべきプロジェクト】
実践的スキルを養うPBL(課題解決演習)と「社会と情報」科目群
課題解決型のProject Based Learning(PBL)科目を3年次に配置し、実際の企業で行われているようなプロセスを体感できる実践的教育を提供。産学官連携の窓口となる「情報科学融合領域センター」と高度に連携しながら、AI・データサイエンスを社会の課題解決に活用するための実践的スキルを養っていく。
さらに、情報科学と人文社会科学の接点や融合を意識した「社会と情報」科目群では、キャリア形成科目などが配置されており、自らの学びがどのような研究分野やビジネスで応用できるのかを模索することもできる。他学部からの提供科目を積極的に受け入れるとともに、他学部にも科目提供を行っていくことで、さまざまな学びに触れ、視野を広げていくことが可能だ。
【入試制度】
一般選抜の個別試験は「数学Ⅱ・B」まで出題範囲
明治学院大学の一般選抜において、情報数理学科を受験する際の主な試験科目は「国語」「数学」「英語」の3つ。「国語」は、他学科と併願するかで範囲が変わる。また、英語外部検定試験の基準スコア(級)に応じ、「英語」の試験を免除したり、検定スコアを入学試験における得点として換算したりできる型・方式もある。詳細については、必ず2024年度入学試験要項で要確認。
※選抜方法等の詳細については、必ず2024年度入学試験要項で確認してください。
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2024年度入学試験要項
英語外部検定試験利用型
明治学院大学大学案内132・133ページ
【想定される進路】
10年後、20年後を見据えた、幅広い業界で活躍できる人材育成
明治学院大学情報数理学部は10年後、20年後の未来を見据えた人材育成を行っており、卒業した学生は、学部学科での学びによって、高度ICTの利活用に必要な数理的理解と知識を身につけている。そのため、人とAIが高いレベルで共存する近未来において必要とされるさまざまな職種・業界に活躍の場を広げていくことが可能。AI・データサイエンスはあらゆる分野で応用可能であり、今後、新たな価値を次々と創出していくだろう。この先の未来において、今までにない新たな職種に就くこともできるかもしれない。
Text by 仲里陽平(minimal)