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【滋賀大学】学生時代からビジネスに直結するデータ分析力を鍛えられた! 【滋賀大学】学生時代からビジネスに直結するデータ分析力を鍛えられた!

【滋賀大学】学生時代からビジネスに直結するデータ分析力を鍛えられた!

森口 翼 さん
森口 翼 さん
MORIGUCHI Tsubasa
滋賀大学データサイエンス学部 2020年度卒業
日本航空株式会社 カスタマー・エクスペリエンス本部
マーケティング戦略部 顧客データ戦略室勤務

日本初のデータサイエンスに特化した学部として2017年に開設された滋賀大学データサイエンス学部。多数の企業と連携しながら、リアルなビジネス課題を解決する実践的な学びを展開しているのが特色だ。データサイエンス学部の第1期生として学んだ森口翼さんは、現在、日本航空株式会社(JAL)で、顧客データを扱う部署に所属している。データサイエンスを学んだ先輩は、航空業界でどのような仕事をしているのだろうか?

全社のデータサイエンス推進をサポート

——現在のお仕事内容について、教えてください。

日本航空(JAL)の顧客データ戦略室で、全社のデータサイエンス推進をサポートしています。具体的には航空領域・非航空領域を横断したデータを分析して、そこから意思決定の役に立つ情報を抽出するのが私の仕事です。例えば、訪日外国人の顧客データをもとに、再訪促進や単価向上につながる要因を分析し、中長期的な顧客育成のための方法などを検討しています。

JALの顧客データ戦略室で、全社のデータサイエンス推進をサポート

私は、滋賀大学データサイエンス学部の第1期生として卒業し、コロナ禍の2021年にJALに入社しました。航空業界が大きな打撃を受けていた時期です。1年目は羽田空港のグランドスタッフとして現場経験を積みながら、マイレージアプリの企画を執行役員に提案しました。これは、社内ビジネスオーディションの企画で、結果的にファイナリストに選ばれ、実際にマイレージアプリの開発を行いました。

また、社内プログラムを利用して、シリコンバレー(アメリカ西海岸)に行き、スタンフォード大学やUC(カリフォルニア大学)バークレー校の教授と意見交換をしたり、現地の起業家とのディスカッションに参加したり……と入社後もスキルを高める取り組みを積極的に行っています。

——お仕事以外でもデータサイエンスの知識を活かした活動があれば、教えてください。

昨年(2025年)から、JALに所属しながら、一般社団法人データサイエンティスト協会の「スキル定義委員」としての活動にも参加しています。日本のデータサイエンス産業を牽引するメンバーとともに、データサイエンティストに求められるスキル改訂に取り組み、昨年はその内容についてシンポジウムで登壇する機会もいただきました。このように、業務の枠を越えて、データサイエンス学部第1期生という「武器」を活かしながら活動の幅を広げています。

一般社団法人データサイエンティスト協会の「スキル定義委員」でもある

ちなみに、「世界中に友達をつくる」という個人的な目標もあって、毎年プライベートで10か国近く旅をしています。ここでデータサイエンスの知識が共通項となって、現地のエンジニアやデータサイエンティストと知り合いになる機会が増えています。データサイエンスは、英語以上に世界共通言語なのだと実感しています。

新しい分野を学んで「オンリーワンになりたかった」

——滋賀大学データサイエンス学部に進学しようと思ったきっかけや経緯を教えてください。

進学した理由は、「オンリーワンになりたかったから」です。もともとプロサッカー選手になるのが夢で、高校までサッカーの練習に明け暮れていました。名前が「翼」ということもあり、漫画『キャプテン翼』に憧れたのですが、高校では“副”キャプテン翼止まり……。この経験もきっかけになって、ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指す進学を考えたわけです。

プロサッカー選手になるのが夢で、高校までサッカーの練習に明け暮れた

そこで、分野というより、日本初のパイオニアとして何かを学ぶことに価値があると感じて、当時、新設だった滋賀大学データサイエンス学部に第1期生として入学しました。日本初の1期生というものに惹かれたのがきっかけで、それがたまたま「データサイエンス」だったのです。祖父が数学教員だったこともあり、理系科目に苦手意識はなく、「データサイエンス」というやや威圧感のある横文字にも抵抗はありませんでした。

在学中に6つの企業連携プロジェクトを経験

——滋賀大学データサイエンス学部で特に力を入れた授業やプロジェクトがあれば、教えてください。

1〜2年次は統計学、線形代数、プログラミングなど、データサイエンスの基盤となる科目を学びました。PythonRなどのプログラミング言語だけでなく、WebサイトをつくるHTMLを使ったコーディングなども覚えましたね。その後、3年次からは、所属していた河本薫教授のゼミで、企業連携プロジェクトに力を入れました。3〜4年次の2年間でマーケティングから製造業など合計6つのプロジェクトに取り組みました。ここで得た学びは現在の仕事の土台になっています。

滋賀大学データサイエンス学部時代の一コマ

例えば、企業連携プロジェクトの1つでは、顧客データを用いて、商業施設のアプリ会員の離反(離脱)防止策を提案しました。ざっくりとしたお題から、課題を定義し、その後の施策立案まで一気通貫で行いました。時には実際の店舗へ足を運び、現場のスタッフにヒアリングすることや、分析に必要なデータを先方から新たに取得しにいくなど、実際のビジネスプロジェクトさながらの取り組みでした。その結果、顧客データを根拠とした離反防止のための課題提起、また優先度が高い施策を先方へ提案することができ、高い評価をいただくことができました。

こうしたゼミ活動のなかで学んだ「データ分析手法を駆使した課題解決のプロセス」を日本経済新聞社が主催する「DataSocietyFes2020」というイベントで発表したところ、学生Lightning Talkという部門で準優勝することができました。学生のうちから、多分野の第一線で活躍するビジネスパーソンから学ぶ機会が豊富にある環境は、本当に貴重だったと思います。

「問いを立てる力」「課題を設定する力」を鍛えられた

——データサイエンス学部の学びを通して、どのようなスキルが身につきましたか?

資格としては、学生時代に統計検定2級、ITパスポート、SAS Joint Certificate Program(※1)などを取得しました。SASは、データ分析のソフトウェアで世界的に知られるアメリカの会社で、滋賀大学と連携して認定プログラムを提供しています。また、「ビジュアルプログラミング」(※2)という授業で自身のホームページをつくろうという課題があり、Webサイト構築のスキルも習得できました。そのホームページは今も更新を続けていて、自分の名刺代わりに使っています。

SAS Joint Certificate Program認定証

※1:現在、SAS Joint Certificate Programの認定制度は終了しており、滋賀大学では引き続きSAS® Academic Specializationの認定を行っています。
※2:「ビジュアルプログラミング」は、現在「プログラミング4」に名称変更しています。

定性的な力としては、「企業の意思決定に貢献する分析力」を鍛えられたと思っています。大学で学びながら実際の企業を相手に企画・提案できるという環境はそう多くないと思います。昨今は生成AIによって、従来の分析力だけでは十分な価値を出しにくい時代になっていると感じるので、「実務でデータから価値創造する経験」ができたのは本当に貴重でした。

ビジネスの「問い」を見つける力、分析手法を使いこなす力、現場担当者の意思決定につなげる力は、社会に求められる重要な力です。加えて、データサイエンティストの役割が、「問題解決」のみならず「価値創造」に転換する今だからこそ、こうしたスキルを大学生のうちから実践的に培えたことは自分にとって大きな財産となりました。

社会に求められる重要な力を大学生のうちから実践的に培えたことは大きな財産

——データサイエンス学部で身につけた力は、現在のお仕事でどのように役立っていますか?

データ分析の部署に所属している現在は、あらゆる業務において大学で学んだスキルが役に立っています。社会人になってからデータサイエンスを学ぶ人が多いというなかで、ある程度の知識・スキルが入社1年目の段階で備わっていることは、大きなアドバンテージになりました。また、JALのような事業会社では、社内データサイエンティストの数が限られていることも多く、「データ分析を強みとするビジネスパーソン」としてオンリーワンな価値を発揮しやすい環境にあるとも感じています。

滋賀大学にて

もちろん卒業後も勉強を続けています。前出のデータサイエンティスト協会が実施する「データサイエンティスト検定」を取得したほか、入社後の研修で、「Harvard University Innovation Leap Certificate」を取得し、TOEICスコアも825点まで伸ばすことができました。私のモットーとして「学びを仕事のギアにする」というのがあるので、学びを業務に活かせるようにしていきたいと思っています。

やりたいことが見つかっていない人にこそ
データサイエンス学部はおすすめです!

——現在のお仕事における夢や目標があれば、教えてください。

自身のビジョンは「日本のデータサイエンス産業を推進して、国際競争力の発展に貢献すること」です。そのために現在は、JALを「データドリブンカンパニーにする」という目標を達成するために日々尽力しています。JALには、さまざまなデータが蓄積されており、そこに大きな可能性を感じます。また、自身の取り組みが後輩のキャリア選択にも良い影響を与え、同じ志を持つ仲間が増えていくことにも期待しています。

——滋賀大学データサイエンス学部に関心がある受験生にメッセージを!

「データサイエンス」は、ほぼすべての業界と接点を持てる点が、最大の魅力だと思います。なので、まだ将来やりたいことが明確に定まっていない人にむしろおすすめです。また、大学側の教育も進化しています。日本初のデータサイエンス学部として設立されてから約10年弱の教育の蓄積があり、私の在学時から培われてきた多くの知見が体系的に蓄えられ、洗練されてきているのを感じます。そこが他大学にはない魅力だと思います。ちなみに、キャンパスがある彦根も自然豊かで、とてもよい場所ですよ!

日本航空株式会社にて

※掲載情報は、2026年3月時点のものです。

Text & Photo by 丸茂健一(minimal)

オープンキャンパス情報

滋賀大学データサイエンス学部関連のオープンキャンパスは、彦根キャンパスで開催される。
当日はオープンキャンパスだけでなく、データサイエンス研究科の大学院説明会も開催予定。

開催日程
2026年7月25日(土)

最新情報をいち早く知りたい場合は、大学公式サイトからメールマガジンに要登録。

詳細はこちら
滋賀大学 オープンキャンパス2026

UNIVERSITY INFO

滋賀大学データサイエンス学部
SHIGA UNIVERSITY
Faculty of Data Science
企業連携を重視した実践的な学びを提供
滋賀大学データサイエンス学部
企業連携を重視した実践的な学びを提供

企業と一緒にリアルな社会課題の解決を経験できる

滋賀大学データサイエンス学部では、企業や公的機関と連携した課題解決型のプロジェクト学習を多数展開。学生たちが企業と一緒にリアルな社会課題の解決を経験できる環境が整っている。また、情報学、統計学などデータサイエンスの基盤となる専門分野の教員が多数在籍し、幅広いテーマの研究室を探すことができる。

カテゴリ

国立大学

学部・学科

【データサイエンスを学べる学部】
■データサイエンス学部/データサイエンス学科
【その他の学部】
■経済学部 ■教育学部

主な就職実績(2022年度〜2024年度卒業生の実績)

データサイエンス学部
【一般企業】日清食品ホールディングス、関西電力、パナソニック オートモーティブシステムズ、任天堂、京セラコミュニケーションシステム、オムロンソーシアルソリューションズ、トヨタ自動車、Sky、アビームシステムズ、アクセンチュア、大塚商会、みずほリサーチ&テクノロジーズ、サイバーエージェント、富士通、村田製作所、イシダ、ヤンマーホールディングス、セイコーエプソン、日立ソリューションズ・クリエイト、山田コンサルティンググループ、三井住友銀行、滋賀銀行、西日本旅客鉄道、ファーストリテイリング、ファミリーマート、日本航空 ほか
【公務員】大阪航空局、大津市役所、京都市役所、滋賀県庁
【大学院進学】滋賀大学大学院データサイエンス研究科、東京大学大学院、大阪大学大学院、東京工業大学大学院、京都大学大学院、名古屋大学大学院、奈良先端科学技術大学院大学 ほか

所在地・アクセス

彦根キャンパス(データサイエンス学部)
〒522-8522 滋賀県彦根市馬場1-1-1
JR琵琶湖線「彦根」駅西口より直通バスで約9分

問い合わせ先

経済学部・データサイエンス学部共通事務部
TEL:0749-27-1045

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