環境コンサルタントの仕事内容と学べる大学
環境コンサルタントの仕事内容
環境コンサルタントの仕事は、企業の製品づくりや事業内容、自治体の環境保全政策が自然環境や社会環境へ及ぼす影響を調査・分析し、環境保全に即した解決策の提示や助言・指導をすること。これら一連の手続きは、環境アセスメントとも呼ばれている。
製品の製造過程、建設や開発工事に関するものはもちろん、CSR(Corporate Social Responsibility)、いわゆる企業の社会的責任を果たすための環境コンサルティングも注目を集めている。
具体的には、まず顧客の課題をヒアリングし、企業の事業内容や自治体の環境保全政策が環境に配慮したものになっているかを調査・分析・評価する。その土地の自然環境や動植物の生態系など調査する範囲は幅広く、さまざまな要因を考慮する必要がある。
次に、分析した結果から、環境への影響を最小限に抑えられるような環境保全対策の企画立案を行なっていく。資料作成や事業会社へのプレゼンテーション、改善指導など対応する業務は多岐にわたる。
最後に、その施策が適切に行われているか、どのような効果が出ているのかを管理・分析していくことも大切だ。
また、近年ではCSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)に関する環境コンサルティングの仕事も注目を集めており、CSR活動へのアドバイスやプロジェクトの企画立案を行うなど、活躍の場は増えている。
環境コンサルタントの年収や勤務先は?
環境コンサルタントの平均年収は、300万〜1,000万円となっており、スキルや経験によって大きく幅がある。コンサルタント業は実力主義の場合が多く、年収アップを目指すのであれば、クライアントの施策立案や資格取得など個人スキルを高めていく必要がある。
環境コンサルタントの勤務先として代表的なものは以下の通り。
- 総合コンサルティング企業
- 建設会社
- 環境コンサルティング会社
環境コンサルタントになるには?
環境コンサルタントに必要な資格
環境コンサルタントになるための特別な資格はない。しかし、取得しておくことで強みになる資格はいくつかある。
- 環境計量士
- 公害防止管理者
- ビオトープ管理士
- 港湾海洋調査士
- 環境カウンセラー
- 環境アセスメント調査員
- エネルギー管理士
環境コンサルタントに必要なスキル
環境コンサルタントは、クライアントの抱える課題や意図を正確に汲み取り、環境にまつわる専門知識を駆使して解決につなげていく必要がある。クライアントとのコミュニケーション能力や環境のフィールドワーク調査をする際の行動力も大切になる。調査・分析にあたっては、データサイエンスの知識・スキルが大いに役立つだろう。
環境コンサルタントの仕事は、環境保全活動でありながら、ビジネスとして組織の利益向上を目指す視点も必要になる。環境工学、環境経済学など、環境系の幅広い知識が求められる分野だといえる。
環境コンサルタントを目指せる大学・学部・学科
環境コンサルタントになるための知識を専門的に学ぶには、環境科学部、生命環境学部、環境工学部、環境情報学部などの「環境」系学部・学科を選ぶのが一般的だ。そのほか、理工系学部や農学部にある、応用生物学やエネルギー工学などを学べる学科に進むのもいいだろう。
Illustration by カヤヒロヤ