【中央大学】ビジネス力とデータサイエンス力を兼ね備えた人材を育成
中央大学理工学部ビジネスデータサイエンス学科
1885年創立の歴史ある中央大学において、データサイエンス教育の拠点となるのが、理工学部ビジネスデータサイエンス学科。前身である経営システム工学科から経営工学や数理システム分野、応用情報システム分野のノウハウを引き継ぎ、ビッグデータ活用時代をリードするデータサイエンティスト人材を育成している。
ビッグデータ時代をリードする人材を育成
1885年に創立した中央大学は、その長い歴史のなかで、社会を支え、未来を拓く人材を数多く輩出してきた。現在は、「行動する知性。」をスローガンとして、8学部、大学院8研究科、専門職大学院2研究科で幅広い学びを提供している。
この歴史ある総合大学において、データサイエンス教育の拠点となるのが、理工学部ビジネスデータサイエンス学科だ。2021年度に旧経営システム工学科が改称する形で誕生したこの学科では、データ活用に関する理論すなわち “高度なデータリテラシー” と “実社会の知識と技術”の両面をバランスよく兼ね備えたデータサイエンティスト人材を育成している。
前身である経営システム工学科では、人や組織を対象として、それらが抱える問題の発見と解決だけでなく、将来の目標を設定し、その達成のために何をすべきかを学術・実務両面から統合的に扱う教育・研究が行われてきた。そのため、統計学や最適化の理論研究だけでなく、その応用にかかわる領域にまで幅広く、実績豊富な教員が在籍している。
ビッグデータ時代へと社会基盤が整うなか、あらゆる業界で加速するデータ活用をリードする人材を育成するのが、ビジネスデータサイエンス学科の使命だといえる。
ビジネスデータサイエンス学科で身につく3つの力
1 ビジネス力
データサイエンスを活用するのは、実社会におけるさまざまな企業や組織だ。そのため、対象の組織が取り組むビジネスやその背景を理解した上で、課題を整理し、解決するための適切なデータ活用方法を考える必要がある。つまり、幅広い視野でビジネスを理解する力も求められる。
【主な学びの分野】
品質管理、生産管理、金融工学、企業データ分析、マーケティング・リサーチ など
2 データサイエンス力
多くの組織では、膨大なデータから有用な情報抽出をすることが求められている。そのためには、高度な数学、統計学、機械学習、情報処理、最適化などの知識と技術を駆使して、データを構造化して、その整理したデータに意味を与えたうえで分析する力が必要になる。データサイエンス力とはこうしたデータから情報抽出をするためのさまざまな知識を指す。
【主な学びの分野】
統計学、機械学習、オペレーションズ・リサーチ、深層学習(ディープラーニング)など
3 データエンジニアリング力
データサイエンスに関する知識だけでなく、それを実装し運用するためのエンジニアリング力を兼ね備えることがデータサイエンティストにとって必須となる。そのためにコンピュータで多種多様なビッグデータを自在に操作し、適切な処理を行うためのプログラミング能力なども求められる。
【主な学びの分野】
情報処理、プログラミング言語及び演習、データ解析、データ構造とアルゴリズム など
【特徴的な授業やプログラム】
徹底したPBLで目指すアクティブラーニング型人材教育
データサイエンティストに求められるスキル獲得を目指し、数学、プログラミングを共通のベーススキルとして徹底的に習得するだけでなく、ビジネス・産業の知見や管理技術を幅広く身につけるため、在学中に継続的なPBL(Problem Based Learning:問題解決型学習)を通してスキルを総合的に実践できる人材の育成を行っている。
ビジネスデータサイエンス学科 4年間の流れ
独り立ちレベルのデータサイエンティスト育成&
トップタレントへの道をバックアップ
学部教育においては、企業で活躍できる独り立ちレベルのデータサイエンティスト育成を目標に教育体制を整備。また、トップレベルを目指す学生に対しては、教育カリキュラムだけではなく、研究活動や大学院進学を通じて、さらに高度な知識と技術の習得をバックアップしている。なお、これらに関連する資格として「技術士」「情報技術者」「統計検定」などの取得もカリキュラムの中で推し進めている。
【入試制度】
一般方式は外国語、理科、数学の3教科
理工学部の一般選抜は、「一般方式」のほか、「英語外部試験利用方式」「大学入学共通テスト併用方式」がある。さらに、共通テストの得点のみで合否を判定する「大学入学共通テスト利用選抜【単独方式】」もある。
「一般方式」は、外国語、理科、数学の3教科。数学は、数学I、数学II、数学III、数学A、数学B(数列、ベクトル)までが範囲となる。また、理科は、物理(物理基礎、物理)、化学(化学基礎、化学)、生物(生物基礎、生物)から1科目を選択する。
ビジネスデータサイエンス学科には、若干名ではあるが特別入試として、「高大接続型自己推薦入試」の枠もある。対象は、ビジネスデータサイエンスを学ぶための基礎学力、創造力、知的好奇心、学習意欲をアピールできる受験生。情報や数学に関する資格取得者、コンピュータソフトウェアの創作コンクール入賞者などは、こちらを狙ってみるのもいいだろう。
【想定される進路】
旧学科の卒業生は幅広い業界で活躍中
あらゆる分野でデータ活用の重要性が高まっており、実践力を伴うデータサイエンティストが求められている。そんな背景を受け、旧経営システム工学科の卒業生は、製造業や情報産業だけでなく、幅広い業界で卒業生が活躍している。職種もデータサイエンティストのほか、データ分析コンサルタント、データアナリスト、システムエンジニア、データエンジニア、プロジェクトマネジャーなど多岐にわたる。
また、データサイエンス業務と関係の深いさまざまな資格が、カリキュラムの多くの科目と関係している。学科の講義や研究を通して資格取得をバックアップし、毎年多くの合格者を輩出している。
- 【取得サポートをしている資格の例】
- ・技術士(経営工学)
・アクチュアリー(保険数理士)
・情報処理技術者
・品質管理検定
・統計検定
・ディープラーニング検定
今後、ビジネスデータサイエンス学科の卒業生は、第1次産業から第3次産業のあらゆる業界で活躍することが期待されている。また、さまざまな業界を結び付ける新たな事業の橋渡しの役割を果たしていくことになるはずだ。
Text by 丸茂健一(minimal)