Webエンジニアの仕事内容と学べる大学
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアは、ブラウザ上で動作するWebサービスを開発する仕事だ。Webエンジニアの仕事は、「企画・要件定義」、「開発・コーディング」、「運用・保守」の大きく3つの工程に分けられる。
「企画・要件定義」は、どのようなWebサイトを開発するのかをクライアントにヒアリングし、齟齬のないようにすり合わせていくことが求められる。
「開発・コーディング」では、要件定義書をもとに、HTML、JavaScript、PHP、Rubyなどからそのサイト制作に適したプログラミング言語を用いてコーディングしていく。
「保守・運用」では、サイトやアプリケーションの公開後、不具合の解消や利便性の向上のために、メンテナンスを行うことになる。
また、Webエンジニアは、「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」の大きく2つの職種に分けられる。ユーザーから見える部分を開発するのが「フロントエンドエンジニア」。Webデザイン、UI・UXデザインなどのビジュアルや操作性を考える仕事がメインになる。JavaScriptなどを使って、動きのあるビジュアルを設計することもある。「バックエンドエンジニア」は、サーバーサイドエンジニアとも呼ばれ、サーバ、データベースの情報管理システムなどのユーザーからは見えない領域を担当することになっている。
Webエンジニアの年収や勤務先は?
Webエンジニアの平均年収は400万〜600万円となっており、使用するプログラミング言語や勤務先によっても幅があるようだ。Webエンジニアのニーズは高まっており、Web制作会社で10年以上の経験を積み、リーダー職になった場合、1,000万円以上の年収も期待できる。
Webエンジニアの勤務先として代表的なものは以下の通り。
- Web制作会社
- アプリケーション開発会社
- システム開発会社
- ソフトウェア開発会社
- IT企業全般
Webエンジニアになるには?
Webエンジニアに必要な資格
Webエンジニアの仕事を保証する特別な資格はない。ただし、取得しておくと強みになる資格は多数ある。学生のうちに取得しておくといいだろう。
- HTML5プロフェッショナル認定試験
- Webクリエイター能力認定試験
- ウェブデザイン技能検定
- CIW JavaScript Specialist
- PHP技術者認定試験
- 基本情報技術者試験
- Ruby技術者認定試験
Webエンジニアに必要なスキル
フロントエンドエンジニアであれば、HTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングスキルはもちろん、UI・UXデザインなどの知識・スキルも求められる。バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)であればLinux、PHP、Python、Rubyなどのスキルに加えて、ApacheやNginxといったWebサーバ、RESTなどのAPI、SQLやデータベース知識も必要となる。
プログラミングエディタやGit、SSH、Dockerなどの開発用ツールの知識、サイバーセキュリティの知識はフロントエンド・バックエンドどちらでも重要だ。また、要件定義では顧客へのヒアリングをして、顧客が本当に必要なものを類推したり提案したりという業務もあるので、コミュニケーション力も大切なスキルになってくる。
Webエンジニアを目指せる大学・学部・学科
Webエンジニアを目指すには、理工系大学の「情報」系学部・学科、美術系大学のデザイン系学部・学科で学ぶのが一般的だ。一方、文系の大学で興味のある分野を専攻しながら、独学でコーディングのスキルを学ぶ道もある。専攻で学んだ特定分野の知識(ドメイン知識)とWeb開発のスキルを組み合わせることでその分野に特化したWeb開発を強みにできるだろう。最近は、IT人材の需要の高まりから、プログラミングスクールも多数開校されていて、オンラインで受講できるものも増えている。
また、スクールに通わずに、Web開発やコーディングのスキルを習得し活躍しているWebエンジニアも大勢いる。書籍やインターネット上の学習教材を利用し、独学でWebエンジニアを目指す選択肢もある。個人でもWebの世界にサービスを公開すること自体は簡単で、世の中には個人開発から始めたWebサービスが好評で起業したりという事例も多い。
Illustration by カヤヒロヤ