【東京大学】 情報系の学びで「モノづくり」はさらに進化!

工学部電子情報工学科コンピュータ・ネットワークコース 4年
廣瀬・夏秋研究室
データサイエンス系大学・学部に通う先輩は、どのような学び&研究に取り組んでいるの? 今回は東京大学工学部電子情報工学科に通う五十嵐諒さんに、大学で行っている研究内容や高校時代に取り組んでおくべきことなどについて聞いた。
ドローンで収集したデータの最適な圧縮方法を模索する
——現在取り組んでいる研究について教えてください!
ドローンで観測したデータを移行する際の最適な圧縮方法について研究しています。ドローンは、遭難者の捜索や火山の火口付近など、人が立ち入ることの難しい危険地域の観測に活用されるのですが、真の目的はそこで収集したデータを地上に送り、リアルタイムで情報を確認することです。しかし、ドローンで収集したデータは膨大であるため、圧縮しなければアップロードに時間がかかったり、送ることができなくなったりしてしまいます。そのため、ドローンにおける最適なデータ圧縮方法を模索することで、情報を毀損することなく迅速に伝送するシステムを開発できればいいなと考えています。
——すごいですね(笑)。ドローンではどのようにデータを収集するのですか?
私が使用しているドローンには、自動車の駐車の際などに用いられる車載レーダと同じレーダが付いています。そのレーダによって3次元の空間を認識し、何がどのくらいの距離にあるかなどの情報を取得しています。
ソフトウェアとハードウェアどちらも学ぶための進学選択
——研究室はどのように選ばれたのですか?

データの処理などコンピュータサイエンスの分野とレーダなどハード寄りの分野を関連付けて研究を行うことができると思い、廣瀬・夏秋研究室を選びました。あとは研究室に所属している人たちがやさしそうだなと思ったので、いいなと(笑)。
——大切ですよね(笑)。
東京大学には、3年生になってから学部学科を選択する「進学選択」という制度があるのですが、そのときに工学部電子情報工学科コンピュータ・ネットワークコースを選んだのも、工学的な「モノづくり」と「情報」系の学びのどちらにも興味があったからです。これからの「モノづくり」には、情報系の分野は欠かせないとも考えていましたね。
幅広く教養を学べる東京大学のカリキュラム
——1、2年生のときにはプログラミングなどの授業があったりするのですか?
プログラミングの授業もありますが、それほど多くはないと思います。入学時は理科一類や理科二類など大まかな科類に分かれていますが、東京大学の1、2年生は全員が教養学部前期課程に所属することになります。そのため、理系や文系を分けることなく、幅広い教養を身につけることが求められます。個人的にも始めから学問分野を絞らずに幅広く学ぶことは、さまざまなアイデアを生み出すためにもいいと思っています。そのなかでプログラミングの授業も履修しましたが、私は独学で身につけた部分が大きいですね。
——幅広く学んでいたなかで、面白かった授業はありましたか?
「論理学」の授業が面白かったですね。AはBである。BはCである。そのため、AはCであるという三段論法などを学んだりするのですが、論理的に思考することは、プログラミングを含むすべての学問の基盤となるため重要だと感じましたね。教授が出してくれる具体例などもキャッチーで、楽しく学ぶことができました。また、「数学」や「物理学」などの授業も現在の研究の基礎となっているので大切だと思いますね。
「競技プログラミング」や「ハッカソン」でプログラミングスキルを鍛えた
——プログラミングは独学で身につけた部分が大きいというお話がありましたが、具体的にどのように身につけていったのですか?
与えられた問題を解くためのプログラムを素早く作成する「競技プログラミング」を1年生のころから始めました。自分で調べたり、友達同士で勉強会を開いたりして、独学で学びましたね。また、昨年には学科の友人と一緒に「ハッカソン」というアプリケーションやサービスなどを開発する大会にも参加して、椅子の脚にセンサーを取り付けたプロダクトを制作したりして、プログラミングやデータサイエンス系の知識を身につけました。

——それにはどんな機能が付いているのですか?
椅子の脚にセンサーが付いているので、座るだけで体重を量ることができます。そして、そのデータを大規模な時系列データとして可視化することで、日々の体重管理に役立てたり、座っている時間を計測して長時間の着席を防止するために使用したりできます。何時間も座っていたら、「座りすぎですよ!」と通知がくるような感じです。ハッカソンでは、審査員である企業の方からフィードバックをもらえたり、実際にユーザーに体験してもらう機会があったりしたので、非常に有意義でしたね。
理論と実践はバランスが大切
——大学で学んだ情報系の知識・スキルを活かして、将来やりたい仕事はありますか?

来年から大学院に進学するので、明確に決めているものはありませんが、やはり「モノづくり」に携わることのできる仕事に就けるといいと考えています。まずは、研究を頑張って、その先に自分の将来像が見えてくるかなと思っています。
——最後に情報系・データサイエンス系に興味がある受験生にメッセージを!
私のようにまずプログラミングなどを触ってみて、実践のなかでスキルや知識を身につけていくのがいいのかなと思います。一方で、理論的な部分も重要です。基礎を学ぶことによって、応用へ活かせたり、汎用性のあるプロダクトを生み出せたりすることもあります。私も学外で実践的なことをやって、大学の授業では理論的なことを勉強しています。理論と実践はバランスが大切です。理系科目はもちろん、国語や英語など幅広い学びを大切にして勉強を頑張ってください!
取材協力
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Text by 仲里陽平(minimal)/Photo by 市川茜(minimal)
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