システム運用・保守エンジニアの仕事内容と学べる大学
システム運用・保守エンジニアの仕事内容
システム運用エンジニアの仕事は、システムの監視、サーバーの起動/停止や入れ替え、セキュリティ対策、データの出入力、バックアップ実施、サーバ能力量を前もって担保するキャパシティ管理、運用監視の自動化など、トラブルが起こるのを未然に防ぐ点検作業だ。日々の業務内容がルーティン化していくなかでも丁寧な作業が求められる。
システム保守エンジニアの仕事は、システムのアップデート、ネットワークメンテナンス、新規システム導入、バグや不具合発生時の原因究明・復旧作業など、トラブルが起きた際に改善・復旧を行うこと。24時間365日いつでも対応する必要があり、システム運用と比べるとより高度な専門知識や技術が求められる。
企業規模によっては、システム運用と保守の間に明確な業務内容に線引きがないこともあり、システム運用・保守を同じエンジニアが担うケースも多い。
システム運用・保守エンジニアの年収や勤務先は?
システム運用・保守エンジニアの平均年収は400万円前後となっている。システム運用・保守業務を経て、システム開発系エンジニアへのキャリアアップを目指すのが一般的。つまり、システムを支える仕事からつくる仕事にステップアップしていく。
システム運用・保守エンジニアの勤務先として代表的なものは以下の通り。
- システム開発会社
- ソフトウェア開発会社
- IT企業全般
- 一般企業の情報処理部門
システム運用・保守エンジニアになるには?
システム運用・保守エンジニアに必要な資格
システム運用・保守エンジニアになるための特別な資格はない。ただし、取得しておくことで強みになる資格はいくつかある。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 情報セキュリティ管理士認定試験
- Linux技術者認定資格
- マイクロソフト認定資格
システム運用・保守エンジニアに必要なスキル
システム運用・保守はシステムを安定稼働させるために管理、改善、復旧していくことが必要になる。そのためには、サーバーやネットワークに関する知識はもちろん、日々の繰り返し作業のなかでも不具合を見逃さない注意力や丁寧な対応が求められる。また、トラブル発生時の問題点の切り分けや対応には、論理的思考力が大きな武器となる。
プログラミング言語に関してはPythonやGo、C言語など、OS運用にbashやPowerShellなどのシェルスクリプト言語、TerraformやKubernetesなどの運用管理ツール、Web構築言語ならHTMLやPHP、JavaScript、データベース系のSQLなどを使いこなせると強みになる。ITシステムはもちろん、AIの機械学習などにも関心があるとステップアップできる。
- プログラミング言語:
- C言語、C++、Python、Go、SQL など
- Web構築言語:
- HTMLやPHP、JavaScriptなど
- 開発ツール:
- Terraform、Kubernetesなど
システム運用・保守エンジニアを目指せる大学・学部・学科
システム運用・保守に必要な専門知識を学ぶには、理工系大学の「情報」系学部・学科を選ぶのが一般的だ。しかし、システム運用・保守の仕事は未経験でも応募可能となっている求人も多いため、文系学部に通っている大学生や社会人でも、最低限の知識とIT分野への興味があれば、まず業界に飛び込んで、働きながらスキルを修得するのもいいだろう。
Illustration by カヤヒロヤ