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【みんなの疑問】データサイエンス系学部の「総合型選抜」の面接では何を聞かれる? 【みんなの疑問】データサイエンス系学部の「総合型選抜」の面接では何を聞かれる?

【みんなの疑問】データサイエンス系学部の「総合型選抜」の面接では何を聞かれる?

データサイエンス百景編集部
データサイエンス百景編集部

データサイエンス百景公式X(Twitter)には、日々AI・データサイエンスに関する質問が寄せられます。今回は、データサイエンス系も扱う公立はこだて未来大学のシステム情報科学部の入試から、総合型選抜について、入試担当者にズバリ聞いてみました!

総合型選抜の面接では何を聞かれる?

データサイエンス系学部・学科を有する多くの大学では、年内入試の「総合型選抜」を行っています。データサイエンスは新しい学問なので、面接でデータサイエンスのことを聞かれたらどうしようと不安に思っている人も多いでしょう。そこで、独自の総合型選抜を行っている情報系大学「公立はこだて未来大学」の入試について、担当者に聞きました。

公立はこだて未来大学の総合型選抜では、出願書類、適性検査、面接によって合否を判断しています。大学入学共通テストは課さず、年内(11月)に合否が発表されます。

適性検査は、理数系の基礎的な能力、言語理解・言語表現の基礎的な能力を評価するもの。面接はプレゼンテーションと対話面接からなり、自己推薦の根拠となる具体的な活動実績について、出願時に提出した資料をもとに5分以内でのプレゼンテーションを行った後、その内容や志望理由について対話面接で問うこととなっています。
以下、公立はこだて未来大学の入試担当者にメールで質問をした回答です。

「『適性検査』は、公立はこだて未来大学で学ぶために必要となる基礎的な能力を評価するために行っているものです。そのうち理数系の基礎的な能力を評価する基準のひとつとして『データに関する基礎的な問題』を出題しています。これは、図や表をもとにした設問が中心で、データサイエンスの素養のある学生を求めているという大学からのメッセージでもあります。
また、総合型選抜では公立はこだて未来大学の学部入試では唯一、『情報に関する基礎的な問題』も出題するのも特徴の一つです。こちらでは、情報分野を学ぶにあたり必要となる基礎的な力などを問います」

以下は、公立はこだて未来大学が公表している「データに関する基礎的な問題」と「情報に関する基礎的な問題」のサンプルです。こちらで問題の方向性はわかるのではないでしょうか。

適性検査サンプル問題
適性検査サンプル問題「データに関する基礎的な問題」

適性検査サンプル問題
適性検査サンプル問題「情報に関する基礎的な問題」

「総合型選抜」適性検査の過去問題も以下よりダウンロード可能です。
詳しくはこちら
公立はこだて未来大学 過去の入試問題

面接
写真はイメージです(Photo by maroke / PIXTA)

受験生それぞれの適性や実績、関心のある分野を掘り下げる

ここでやっと本題の「面接」について。公立はこだて未来大学の総合型選抜では、「適性検査」のほか、「面接」において「これまでの活動実績(自己推薦の根拠となる具体的な活動実績)」をテーマにしたプレゼンテーションが課されます。ここで、理数系などの学業に関する成果、情報系の資格やプログラミング大会での成績などをアピールすることになります。総合型選抜で面接を課す他大学でも同様の対策が必要になるでしょう。

「面接では、いきなり難しいことを質問するというよりは、受験生それぞれの適性や実績、関心のある分野などについて、対話を通して掘り下げていくこととなります。それはデータサイエンスに関する話題でも同様です。 大切なのは、今の自分の特性を大学でどのように発展しようと考えているか、です。受験生のみなさんにはデータサイエンスのことを含め、自身が関心のある情報系のことなどを話してもらうとともに、その知識や実績を大学でどうしていきたいかを面接員とのコミュニケーションの中で話してもらいます。
そのため、プレゼンテーションで、データサイエンスに関する取り組みを自己アピールとして発表した場合は、その後の対話面接でもその内容を掘り下げられていく可能性は高いといえるでしょう」

データサイエンス系学部の「総合型選抜」の面接について、少しでもイメージを掴めたでしょうか? AIやデータサイエンスについて、興味・関心があること、経験してきたことをしっかり自分の言葉で語る必要がありそうです。

選抜試験の出題傾向は、大学によって、年度によって異なります。オープンキャンパスなどの機会に、入試や学部の相談窓口で積極的に質問してみるといいでしょう。総合型選抜の出願は、多くの場合、9月中旬までです。志望する大学・学部がある場合は、早めに調べるようにしましょう。

最後に公立はこだて未来大学の入試担当者からメッセージをいただきました。

「学ぶ意欲の高い学生に総合型選抜を利用してほしいと思っています。AIが好き! プログラミングができる! というだけではなく、自身の探求心のことや、高校までに身につけた知識やスキルを活かしてこんな研究をしたい、こう社会を変えたいというビジョンを語って面接を通して表現してほしいですね」

Text by 丸茂健一(minimal)/Illustration by emma / PIXTA

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