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【慶應義塾大学SFC】ソフトとハードの両面から新しいゲーム体験を追求する! 【慶應義塾大学SFC】ソフトとハードの両面から新しいゲーム体験を追求する!

【慶應義塾大学SFC】ソフトとハードの両面から新しいゲーム体験を追求する!

矢追 陽平 さん
矢追 陽平 さん
YAOI Yohei
慶應義塾大学
環境情報学部 2年

情報/データサイエンス系大学・学部に通う先輩は、どのような学び&研究に取り組んでいるの? 今回話を聞いたのは、慶應義塾大学環境情報学部2年の矢追陽平さん。中学2年生から独学でゲーム開発を始め、高校3年生には「ゲームクリエイター甲子園」でセミファイナルまで進出。ゲーム開発におけるこれまでの挑戦、そして、今後の目標を聞いた。

中学生の頃、独学でゲーム開発を始めた

――プログラミングやゲーム開発を始めたきっかけを教えてください。

プログラミングを始めたのは、中学2年生の頃です。きっかけは、ある映画でした。劇中にハッキングをする場面があって、「すごくかっこいいな」と思ったんです。ただ、その映画のタイトルは今でも思い出せないのですが(笑)。

そこからYouTubeでプログラミング関連の動画を見始め、自分でもゲームがつくれることや、ゲーム開発に必要な機能がそろった「Unity」というプラットフォームの存在を知りました。ちょうどコロナ禍で自宅にいる時間も長かったので、「やってみよう」と思い、独学で勉強を始めました。

もともとゲームが好きで、一番遊んでいたのは『スプラトゥーン』と『ゼルダの伝説』です。『フォートナイト』もよくプレイしていました。

――それ以前に、プログラミングの経験はありましたか?

小学6年生の頃に、Scratchに少し触れたことはありました。でも、遊びの延長のようなもので、難しくてすぐにやめてしまいました。

小学校4年生からバスケットボールに打ち込んでいたので、本格的にプログラミングに取り組んだ経験はほとんどありませんでした。

――独学での学習は順調に進みましたか?

最初はYouTubeの動画を見ながら、HTMLJavaScriptを学びました。テトリスをつくれるところまではいったのですが、当時は動画の内容をほぼそのまま写していただけで、「なぜ動くのか」はあまり理解できていませんでした。

最初はYouTubeの動画を見ながら学びました

その後、当時夢中になっていた『ブロスタ』のようなゲームをつくろうと考えたのですが、仮想ジョイスティックの実装でつまずきました。仕組みがわからず、解説記事を読んでも理解できなかったんです。

それでも試行錯誤を続けるうちに、自分がつくった機能が一つずつ形になり、ゲームとして完成に近づいていく。その過程が楽しくて、「もっとつくりたい」という気持ちがどんどん強くなっていきました。

高校ではパソコン部に入り、本格的にゲーム開発を続けることを決めました。

「ゲームクリエイター甲子園」でセミファイナルに進出

――高校時代にはゲームもリリースしたんですよね。

高校1年生のうちに、一つゲームを完成させて公開することを目標にしたんです。

当初はiPhone向けに配信しようと考えていたのですが、App Storeへの公開には当時1万円ほど必要だと知りました。一方、Google Playは約3000円で公開できたので、高校1年生の終わり頃にAndroid向けとしてリリースしました。

高一の時にリリースしたゲーム

ゲームは、球を弾きながらステージを進んでいくカジュアルゲームです。ゲーム自体は完成していたのですが、「少しでもお小遣いになれば」と思って広告を組み込もうとしたところ、それが意外に難しくて苦労しました(笑)。

その後、高校3年生で新しいゲームが完成し、再びApp Storeで公開しようとも考えました。ただ、やはり費用面が気になってしまって。ちょうどその頃、「ゲームクリエイター甲子園」の募集が始まっていたので、作品を応募することにしました。リリースしなくても作品を評価してもらえる点に魅力を感じたからです。

――ゲームクリエイター甲子園には、どのような作品を出したんですか?

ロケットのような乗りもので地下を探索していくゲームです。

中学生の頃は実装できなかった仮想ジョイスティックも、この作品ではゲームの中に自然に組み込めました。技術的な成長を実感できた作品でもあります。

ゲームクリエイター甲子園でセミファイナル進出したゲーム

また、ドット絵の雰囲気や色使いにもこだわりました。ゲーム全体の世界観が伝わるよう、配色を何度も調整しました。

結果としてセミファイナルまで進むことができ、うれしかったですね。展示イベントにも参加し、来場者に実際に遊んでもらえたことは、大きな励みになりました。

――その頃には、将来ゲームクリエイターになりたいという思いはあったんですか?

大学卒業後のことまでは具体的に考えていませんでしたが、大学でもゲーム開発を続けたいという思いはありました。

慶應義塾大学へは内部進学で、理工学部と環境情報学部のどちらに進むか最後まで迷いました。理工学部であれば、ゲームのハードウェアまで含めて学べる魅力がありました。一方で、環境情報学部は、自分がやりたいことに自由に時間を使える環境があります。クリエイティブなことに挑戦するならこっちだと思い、進学を決めました。

SFCでゲーム開発を学びながら、ゲーム会社でアルバイトも

――実際に進学してみて、環境はいかがでしたか。

とても恵まれた環境だと感じています。1年次の春には「スマートデバイスプログラミング」というゲーム開発の授業があり、Unityを用いたゲームプログラミングを学びました。授業の後半ではゲームを一本完成させる課題があり、スライムが次々と迫ってくるのをひたすら斬っていく、爽快感をテーマにしたゲームを制作しました。遊んでいて気持ちいいと感じてもらえることを意識してつくった作品です。

大学の授業で作ったゲーム

その授業の先生はゲーム会社の社長でもあり、「どうすればゲーム会社に入れますか」と授業後に相談することもあったのですが、なかなか具体的には答えてくれなくて(笑)。

そんななか、その先生が「会社で学生向けのアルバイトを募集している」と、授業内の学生に向けて知らせてくれたんです。思い切って応募したところ採用していただき、1年次の秋からゲーム会社で実務に携わることになりました。

――ゲーム会社ではどのような仕事を担当しているのですか?

「この機能を実装してください」「この不具合を修正してください」といった指示を受け、実装や修正を担当しています。

例えば、キャラクター名の入力画面で一文字ずつ削除できる機能をつくったり、敵キャラクターの描画順序を制御するシステムを開発したりしています。そのほかにも、コントローラーやキーボード操作への対応など、さまざまな機能の開発に携わっています。

――これまでは独学で学んできたと思いますが、実務でのゲーム開発に取り組んでみてどうでしたか?

最初に感じたのは、「これまで自分がやってきたことは、全然ダメだったんだ」ということです。

独学でやっていた際は「動けばいい」と考えていましたが、実務ではそれだけでは通用しません。将来的な不具合を防ぐための設計や、コードの保守性、チーム全体で開発しやすい実装方法など、多くのことを考えながら開発を進める必要があります。日々学ぶことばかりですが、その分、自分の成長も実感しています。

日々の学びの分、自分の成長も実感

――ゲーム会社で特に印象に残っているアドバイスなどはありますか?

アルバイトを始めた頃、社内のクリエイターの方々に自分の作品を見てもらう機会がありました。

そのとき制作していたのは、日記を読み進めながら、線を書き込んで物語を進めていくというようなホラーゲームです。しかし、「静かな雰囲気の中で、突然『線を書いてください』という操作を求められるのは、ゲームの世界観と少し合っていない」とアドバイスをもらいました。

その言葉を聞いて、確かにその通りだなと思いました。ゲームはビジュアルだけでなく、操作そのものも世界観の一部です。プレイヤーの体験全体を設計することの大切さを学びました。

――大学ではゲーム以外にどのようなことを学んでいますか?

プログラミングやデザインに加えて、コミュニケーションに関する授業も履修しています。幅広い分野を横断して学べるのは、SFCならではの魅力だと思います。

また、1年次から研究会にも所属しています。他大学ではいわゆるゼミと呼ばれるものです。昨年までは別の研究会に所属していましたが、2年次からはロボットをテーマにした研究会へ移りました。ゲームをさらに面白くするためには、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアにも挑戦したいと考えたからです。

先日の研究会の発表では、SONYの小型ロボット「toio(トイオ)」とVRゴーグルを組み合わせた鬼ごっこゲームを制作し、発表しました。

大学の研究会で作ったVRゲーム2

目指すのは、これまでにないゲーム体験を生み出すこと!

――今後の目標を教えてください。

これまでにないゲーム体験を生み出すことです。今年の2月にゲームジャムにも参加したのですが、そこで開発したゲームがヒントになっています。

ゲームジャムはゲーム版のハッカソンのようなイベントです。即席のチームを組み、約3か月でゲームを制作しました。私たちのチームはエンジニア3人、プランナー4人、イラストレーター1人という構成で、私はエンジニアとして参加しました。制作したのは、自分の手そのものをコントローラーとして用いるゲームです。

以前から、ゲームをコントローラーやキーボードだけでなく、手や身体の動きなど、さまざまなインターフェースと組み合わせて遊べることに面白さを感じていました。研究会で制作したVRを用いたゲームの発想も、その延長線上にあります。

ゲームという枠にとらわれず、新しいデバイスや身体の動きなどを取り入れながら、これまでにない遊びや体験を生み出していきたいと考えています。

――最後に、ゲーム開発に興味がある高校生へメッセージをお願いします。

まずは、一つでもいいのでゲームを完成させてみることです。YouTubeには多くの学習コンテンツがありますし、今はAIの力を借りながら開発を進めることもできます。以前よりもゲーム制作を始めるハードルはずっと低くなっていると思います。

また、私自身も偶然の出会いからゲーム会社で実務を経験する機会を得ました。もし目の前にチャンスが訪れたなら、迷わず飛び込んでみてください。その経験が、次の可能性につながっていくはずです。

目の前にチャンスが訪れたなら、迷わず飛び込んで
矢追さんは、プログラミングスクール「Life is Tech ! (ライフイズテック)」で学生メンターを務めている

取材協力

Life is Tech ! (ライフイズテック)

中学生・高校生〜社会人向けのIT・プログラミング教育サービス。2010年にスタートし、これまで100万人以上にデジタルを活用したイノベーション教育を届けている。
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Life is Tech ! (ライフイズテック)

Text & Photo by 仲里陽平(minimal)

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