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レポート・論文はAIで書いてOK?−日本の大学における生成AIガイドライン レポート・論文はAIで書いてOK?−日本の大学における生成AIガイドライン

レポート・論文はAIで書いてOK?−日本の大学における生成AIガイドライン

データサイエンス百景編集部
データサイエンス百景編集部

生成AIの普及により、日本の大学教育においても大きな変革が起きている。学生も教員も生成AIを使用することがごく一般的になってきた昨今、この新しい技術との共存は不可欠である一方で、今に至るまでその活用方法についての議論が交わされている。
現在、大学の教育現場では生成AIの活用についてどのような対応がとられているのだろうか。東京大学・京都大学・一橋大学・早稲田大学・慶應義塾大学など主要10大学の生成AI利用方針を比較してみた。

国立大学

東京大学

生成系AIの利用を一律に禁止しない一方で、各授業での利用の可否や条件は担当教員の判断に委ねている。学生に対しては、AIが生成した文章をそのまま課題回答に使うことは思考過程の訓練機会を失わせて学生当人の能力向上を損なうと指摘し、知識生成の過程や洗練化の過程を通して思考能力を高めることが大学教育の目的であると述べている。
また、レポートや論文では根拠となった出典を明記した上で、自分なりの考えを記載することが求められるとし、授業課題を提出する際には生成系AIツールが生成した文章等をそのまま自分の文章として用いることは認めていない。

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東京大学 情報システムの総合案内サイトutelecon 東京大学の学生の皆さんへ:AIツールの授業における利用について

京都大学

2026年公表の最新の全学ガイドラインでは、「自由の学風」のもとで生成AI活用の可能性を認めつつも、誤情報、権利侵害、剽窃、不正行為、思考力の減退といった生成AIがもたらしうるリスクを指摘している。学生に向けては、一次資料によるファクトチェック、批判的検証と自分の考え・言葉による咀嚼、利用プロセスの記録と必要時の明示、そして授業の履修や論文執筆における担当教員・指導教員が示す方針の遵守を求めている。

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京都大学教育改革戦略本部 教育・学修におけるAIの利活用について

大阪大学

生成AI利用にあたっては、誤りを含む可能性、真偽を判断せず自分の言葉として発信するリスク、個人情報・機密情報の漏えい、著作権侵害に注意するよう求めている。
また、さまざまな情報を活用し、自らの考えを創り上げ、さらには、自らと異なる意見や考えに耳を傾けて、人と人との対話を通して独創的な考え方やアイデアを生み出す点に高等教育の意義があるとし、成果物を生成AIで作成するだけでは学びを深めることはできないと注意を喚起している。

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大阪大学 生成AI(Generative AI)の利用について

大阪大学 SLiCS・大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部 生成AI教育ガイド

九州大学

基本姿勢として、学生が生成AIのような新しい技術についても意欲的に学び、仕組みや限界を理解し、適切に利活用する資質・能力を身につけることを重視している。さらに教員向けの注意点では、レポート等で生成AI利用を認める場合にはシラバス等で利用ルールを明示し、出力をそのまま使わせないこと、名称・バージョン・引用箇所の明記、必要に応じてプロンプトややりとりの提出、正確性の確認責任を学生に理解させるよう求めている。

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九州大学の教育における生成AIの利活用に関する基本姿勢

九州大学の教育における生成AI利活用の注意点~教員向け~
九州大学 未来人材育成機構 生成AIを大学の教育・学習・業務にどのように組み込むか?シリーズ全7回

一橋大学

生成AIの活用を一律で禁止にすることはないとしたうえで、レポート等に生成AIのみを使うことによる教育効果の喪失、法令違反や他者の権利侵害の可能性を明示している。
また、学生による主体的学びの補助としての利用は認めつつ、AI出力をそのまま用いてレポート等の成果物を作るのは一般に不適切であり、参考文献等での確認・裏付け、著作権への留意が重要だとしている。

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一橋大学における生成AIの学修・教学面での取扱いについて(PDF)

北海道大学

生成AIの活用が大学における学びを深める可能性を持つとしつつ、誤った利用方法によっては評価の公正性を損ね、学習機会や学問倫理を損なうかもしれない点があると指摘している。学生には、レポートや課題作成時は教員の指示に従うことを求めるとともに、他者の文章を知らずに剽窃してしまう可能性、情報の不正確さや出典の不明確さに注意が必要であると述べている。

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北海道大学オープンエデュケーションセンター 生成系AIの利用に関する留意事項

東北大学

授業ごとに生成系AI利用の可否を担当教員に確認する必要があるとしている。学生には、AI出力をレポート等の解答にそのまま利用することは自身の勉強にならないと指摘し、授業によってはAIの利用が禁止され、剽窃とみなされる場合があること、また、誤りを自分で確認する必要性について述べるとともに、未発表論文や個人情報の入力による漏えいに注意を促している。

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東北大学 Online Learning Guide ChatGPT等の生成系AI利用に関する留意事項(学生向け)

東北大学 Online Learning Guide ChatGPT等の生成系AI利用に関する留意事項(教員向け)

私立大学

早稲田大学

生成AIに作業効率化の利点がある一方で、誤情報、架空文献、薄くオリジナリティの乏しいレポート、不適切引用や捏造、剽窃の危険性を指摘し、AI生成論文等のそのままの提出は不正行為になりうると明示している。学部によって生成AIの利用についてガイドラインを出しており、たとえば商学部の公開文書では、原則利用可としながらも教員が禁止・制限した場合にはその指示に従うこと、利用方法の明記、正誤・信憑性確認の必須、全部または主要部分をAIで作成して提出する行為は代作として懲戒対象と、かなり具体的に記載している。

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早稲田大学 生成AIなどの利用について

早稲田大学商学部 生成AIの利用に関する取り扱いと注意事項(PDF)
早稲田大学社会科学部 生成AIの利用取り扱いについて(PDF)
早稲田大学教育学部 レポート等作成における生成 AI ツールの利用に関する注意事項(PDF)
早稲田大学文学学術院 英文学コース 生成AIの使用禁止について

慶應義塾大学

教員が奨励・許可する場合に生成AIの使用を認めている。しかし、レポート等を作成した場合はその旨の明記を求めている。
また、独力で取り組むことが求められる課題や試験では利用不可と明言している。ITCガイドラインではさらに、ファクトチェックの徹底や独自性・独創性の確保、研究の透明性・再現性、AIツールやモデル・プロンプト・生成内容の出典明示を求めている。

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慶應義塾大学 塾生サイト ChatGPT等生成AIの利用について

慶應義塾情報センター(KIC) 慶應義塾における生成AIの利用ガイドライン

上智大学

大学として生成AIの使用を全面禁止にはしていないものの、授業での使用は科目担当教員に従うこと、個人情報・機密情報を安易に入力しないことを求めている。
また、教員の特別な許可なく生成AIを試験解答や論文等の課題作成に用い、それを自分が作成したものと偽って提出することは不正行為であり、カンニング同様に厳しい処分の対象になると明記している。

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上智大学 教育における生成AI利用に関するガイドライン(PDF)

上智大学 履修要覧(生成AIの使用についてを含むPDF)

まとめ

本稿で紹介した10大学に共通する生成AIの使用ルールとしては以下の点が挙げられる。

  1. 教員の指示が最優先
  2. AI出力の丸写し提出は不可、または不正とする可能性が高い
  3. 事実確認は自分の責任
  4. 個人情報・機密情報・著作権等のリスクに注意が必要

生成AIに学習を助けてもらいながら、自ら主体的に学び、思考のプロセスを放棄しないことが大学教育の場では重要になってきている。大学ごとに定められたガイドラインを守った生成AIの活用をして、深い学びを実現することが求められている。

Text by データサイエンス百景編集部/Illustration by Graphs / PIXTA

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