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ロボットエンジニア
多分野で活躍するロボットを開発して、
社会課題の解決に役立てるエンジニア
少子高齢化による人手不足対策、災害時の対応など、さまざまな業界でロボットの活用は増加しており、産業用ロボット、医療用ロボット、介護用ロボット、農業用ロボット、ホビー用ロボットなどたくさんの種類がある。今後もロボット開発の市場規模はますます拡大していくだろう。
ロボットエンジニアの仕事内容と学べる大学
ロボットエンジニアの仕事内容
ロボットエンジニアの仕事は、企業や研究機関など顧客のニーズに合わせてロボットを設計・開発すること。最近は、機械工学的な知識・技術だけでなく、AI(人工知能)の知識、プログラミングのスキルなどが求められる仕事だ。
まず、顧客にヒアリングを行い、要望や課題を顕在化させ、ロボットの用途や仕様を決定する。次に、外部状況を読み取る「センサー」の開発、各種センサーで受け取ったデータに合わせて動作を制御する「制御プログラム」の開発、手足となる「駆動部分」の開発と専門分野ごとに業務を進めていくことになる。
すべての工程を経て、開発したロボットが設計どおりの機能を発揮するか、繰り返し検証を行うのもロボットエンジニアの大切な仕事。さらにロボットを納品した後も定期的なメンテナンス、ソフトのアップデートなどを担うことになる。
ロボットエンジニアは、難度の高い専門職ということもあり、常に人材が不足している。本気でロボット開発に興味がある人ならば、目指してみる価値がある職業だといえる。
ロボットエンジニアの年収や勤務先は?
ロボットエンジニアの平均年収は600〜900万円。日本の平均年収と比較してもかなり高い水準といえる。ロボット開発の全工程を指揮できるプロジェクトマネージャークラスになれば、年収1,000万円以上も期待できる。産業用ロボット、医療用ロボットなど、携わる分野によっても収入は変わってくるようだ。
ロボットエンジニアの勤務先として代表的なものは以下の通り。
- 機械メーカー
- 電機メーカー
- 玩具メーカー
- 自動車メーカー
- 大学・大学院
- 国立の研究所
ロボットエンジニアになるには?
ロボットエンジニアに必要な資格
ロボットエンジニアになるための特別な資格はない。ただし、取得しておくと強みになる資格はいくつかある。
- ITパスポート試験
- 基本情報技術者試験
- CAD利用技術者試験
- 機械設計技術者試験
- 電気主任技術者試験
ロボットエンジニアに必要なスキル
ロボットを開発するためには、電子・電気工学、機械工学、制御工学、機械設計、プログラミングスキルなど幅広い専門知識が必要になる。最近は、AIや機械学習に関する知識があると強みになるだろう。また、顧客や社会の課題を解決できるアイデアをロボットとして形にしていく想像力と高い技術力が求められる。海外とのやりとりや最新の研究開発情報を得るために、一定程度の英語力もあると強みになるのは間違いない。
AIを駆使した開発に携わるなら、以下のプログラミング言語や開発ツールを使いこなせると強みになる。
- プログラミング言語:
- Python、R言語、C言語、C++、JavaScript、SQL など
- 機械学習ライブラリ:
- TensorFlow、PyTorch、Keras など
- 開発ツール:
- VS Code、vi、Git、Docker、Kubernetes、*Unit、Selenium など
まずつくりたいロボットに必要な言語について勉強し、その周辺の言語やツールに広げて行くのがいいだろう。使われる言語のトレンドは急速に変化しているので、社会人になっても新たなプログラミング知識の修得が必須となる。
ロボットエンジニアを目指せる大学・学部・学科
ロボットエンジニアになるための知識を専門的に学ぶには、理工系学部の電子・電気工学科、機械工学科などを選ぶのが一般的だ。「情報」系学部・学科でロボット制御を専門的に学ぶ選択肢もあるだろう。
近年新設されているAIやデータサイエンスを冠した学部・学科でもロボット研究に携われるチャンスはある。さらに、「NHK学生ロボコン」出場を目指すロボットサークルや学内プロジェクトに参加できる大学を選ぶのも実力をつける上で悪くない選択だ。将来の就職につながる進学先を本気で探すならば、研究室レベルで学びたいテーマを選ぶのが理想的だろう。志望大学のオープンキャンパスなどに通い、細かく調べてみよう。
Illustration by カヤヒロヤ
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